研究課題/領域番号 |
20K14165
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10020:教育心理学関連
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研究機関 | 山口県立大学 |
研究代表者 |
永瀬 開 山口県立大学, 社会福祉学部, 准教授 (70784495)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 自閉スペクトラム症 / ユーモア / 情動調整 / 社会的コミュニケーション障害 / 興味の限局と反復的行動 / 社会的コミュニケーション / 興味の限局と反復行動 |
研究開始時の研究の概要 |
自閉スペクトラム症(ASD)者のユーモアを用いた情動調整について、以下の計画に従って研究を進めていく。 まず、①ユーモアを用いた情動調整における、ネガティブな出来事を笑い話として他者と共有するプロセスであるユーモア共有過程について、ASD者の特徴を定型発達者と比較検討する。 次に、②ユーモアを用いた情動調整における、ネガティブな出来事をユーモラスな視点から捉えなおすプロセスであるユーモア産出過程について、ASD者の特徴を定型発達者と比較検討する。 最後に、③ASD者におけるユーモア共有過程とユーモア産出過程の特徴を踏まえた上で、ASD者を対象としたユーモアを用いた情動調整支援プログラムを開発する。
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研究実績の概要 |
本研究では、社会的コミュニケーションの障害及び、興味の限局と反復的行動パターンを特徴とする自閉スペクトラム症(ASD)者において、ユーモアを用いた情動調整の使用について検討している。ASD者においては情動調整の困難さが頻繁に指摘されるとともに、この情動調整の困難さがASD者のQOLを低下させている可能性が指摘されている。 本研究ではこれまで、典型発達者を対象にしたASD特性と情動調整との関係について検討してきた。その結果、典型発達者においてもASD特性が強いほど、反芻や自責、破局的思考といった不適応的な情動調整法略を使用しやすく、肯定的再評価や肯定的再焦点化、計画への再焦点化といった適応的な情動調整法略をしない傾向があることが明らかになった。その一方で、典型発達者におけるASD特性とユーモアを用いた情動調整法略の使用との間に明確な関連は見られず、特にこだわり行動の特性とユーモアを用いた情動調整法略の使用との間には正の関連が見出された。これらの結果は、ASD傾向の強い者における不適応的な情動調整方略の使用に対する介入の必要性を示唆している。それとともに、不適応的な情動調整方略の使用に対する介入の方向性として、ユーモアを用いた情動調整方略の使用の促進の可能性も示唆している。これらの結果は、Humor誌やPsychological Reports誌といった国際誌において発表された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
自閉スペクトラム症者を対象とした質問紙調査を実施し、自閉スペクトラム症者におけるユーモアを用いた情動調整に関するデータを得ることができた。しかしながら、データの分析については未だ実施できておらず、学会での発表や学会誌での発表も行うことができていないことから、「やや遅れている」とした。
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今後の研究の推進方策 |
今後、自閉スペクトラム症者におけるユーモアを用いた情動調整に関するデータ分析を早急に行い、学会及び、誌上にて発表していく。
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