研究課題/領域番号 |
20K14174
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10020:教育心理学関連
|
研究機関 | 関西学院大学 (2021-2023) 立命館大学 (2020) |
研究代表者 |
都賀 美有紀 関西学院大学, 工学部, 助教 (90774050)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | うっかり忘れ / もの忘れ / 記憶愁訴 / 記憶エラー / 日常記憶 / メタ記憶質問紙 / 加齢の影響 / し忘れ / 目的忘れ / 後回しによるし忘れ / 尺度作成 / 予定忘れ / 記憶 / 忘却 / 高齢者 / 若年者 / 認知機能 |
研究開始時の研究の概要 |
「しまった。うっかり忘れてた!」と、後になってふと自身のし忘れを正しく思い出すうっかり忘れは、忘れることと思い出すことの二側面を含む。このうっかり忘れは加齢にともない増えるのだろうか減るのだろうか。本研究は、うっかり忘れにどのような記憶機能が影響し、それが加齢によってどのように変わるのかを明らかにする。研究1では、若年者から高齢者までのうっかり忘れの内容と頻度を調べ、認知機能尺度によってうっかり忘れがどのような認知機能と関わるのかを明らかにする。研究2では、既存の記憶課題との関連によってうっかり忘れの加齢変化の記憶メカニズムを解明する。
|
研究実績の概要 |
前年度に作成したうっかり忘れ質問紙の一部の項目について,質問項目が場面限定的であるとの指摘を学会発表で受けていたため,質問紙の改訂を行う必要があった。幅広い年代に適用できる質問紙とするために,2023年度はより抽象的で場面を限定しない質問に修正した改訂版うっかり忘れ質問紙を作成した。具体的な実施内容としては,(1)改訂版うっかり忘れ質問紙の作成と(2)加齢の影響および(3)うっかり忘れ質問紙の下位因子に関連する実行機能を調べるために,改訂版うっかり忘れ質問紙,実行機能質問紙(関口・山田,2017),失敗傾向質問紙(山田,1999),日本語版日常記憶質問紙(清水・高橋・斉藤, 2007)について,1200名に回答を求めた(20~88歳)。 研究成果としては次の3点が得られた。(1)確認的因子分析の結果,適合度は十分であったことから,改訂前と同じ因子構造の改訂版うっかり忘れ質問紙を作成することができた。(2)加齢の影響についての分散分析で年代の主効果が有意であったのは,うっかり忘れでは段取り忘れと知識忘れ,実行機能ではプランニング・効率・切り替え・自己意識,失敗傾向では認知の狭小化・衝動的失敗,日常記憶では検索・課題モニタリング・会話モニタリング・空間記憶であった。ただし,加齢にともなう自己評価の低下は知識忘れのみであり,他は高くなった。このことから,高齢者の加齢によって記憶能力が低下したという認識は,知識忘れの頻度に由来する可能性が指摘できる。(3)うっかり忘れ因子に関連する実行機能との関連については,改訂版うっかり忘れの下位因子と実行機能質問紙の下位因子間の相関はほとんどなかった。実行機能質問紙の結果では加齢にともない実行機能について高い評価がされており実際の実行機能を反映していないと考えられるため,うっかり忘れと実行機能との関連が明らかにならなかったと考えられる。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2021年度に,新型コロナウイルスの蔓延により対面調査が可能かどうか準備をしながら実施可能な期限の限界まで様子を見ていたが実施困難と判断し,オンラインで実施可能な方法に計画を途中変更した。この変更による遅れと,2023年度の学会発表で作成した質問紙を改訂する必要が生じ,今年度作成し直したためやや遅延が生じた。
|
今後の研究の推進方策 |
今年度の結果をまとめて,学会発表および論文投稿を行う。
|