研究課題
若手研究
児童期の不安の問題は、なるべく早い段階で治療を提供することが重要である。児童の不安症に対しては、認知行動療法が治療の第一選択として推奨されている。一方、負担の大きさや治療者の不足などから、およそ6割の児童がプログラムにアクセスできていない現状がある。こうした問題を鑑み、本研究では保護者がオンラインで認知行動療法を学び、児童に対して認知行動療法を実施するプログラムを開発し、有用性について検討する。
2023年度は、不安症の子どもに対する保護者による認知行動療法プログラム(Guided Parent Delivered Cognitive Behaviour Therapy: GPD-CBT)のフィージビリティ研究の結果および事例報告について、国際学会で発表を行った。 GPD-CBTのフィージビリティ研究は12名の不安症の子どもを持つ保護者に実施し、10名の保護者がプログラムを完遂した。プログラムに対する保護者の高い満足度と暫定的な介入効果の効果量から日本での実施可能性が示された。しかし、2名のドロップアウトがあったことから、今後日本文化を反映したプログラムの改良が必要であると考えられる。本研究の結果について、韓国で行われた第10回世界認知行動療法会議と英国で行われた英国認知行動療法学会会議で発表を行った。GPD-CBTの事例報告では、不登校の児童2名に対してGPD-CBTを実施した事例について報告した。この事例発表では不登校を示す児童に対して、どのような工夫をし、治療プログラムを提供したかについて、詳細に説明した。プログラム終了時、2名とも不安症状のカットオフ得点を下回り、小学校に登校することが可能となった。本事例について、トルコで行われたヨーロッパ認知行動療法学会会議で発表を行った。2つの研究結果について、国際学会で発表することで、日本国外の研究者と子どもの不安症に関する研究ネットワークを構築することができたため、今後このネットワークを活用した国際研究を進めていく。
3: やや遅れている
今年度は複数の国際会議で発表を行うことができたが、昨年度までコロナウィルスの影響で研究成果を発表することができる状況が限られていたため。
昨年度までコロナウィルスの影響で研究成果を発表することができる状況が限られていたが、今年度は複数の国際会議で発表することができた。2024年度は国際会議のみならず、国内の会議でも研究結果について発表し、研究結果を進めていく。
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