研究課題/領域番号 |
20K14188
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
岩野 卓 大分大学, 福祉健康科学部, 講師 (30782453)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 依存症 / 臨床心理学 / ドロップアウト / 薬物依存 / 医療教育 / プログラム開発 / 覚せい剤 |
研究開始時の研究の概要 |
依存症者のドロップアウト(治療脱落)要因を明らかにし,ドロップアウト予防教育を開発することを目的とする。依存症は再発率や再逮捕率,ドロップアウト率などが極めて高く,社会復帰が困難である。そのため,適切な支援は社会経済的にも必要不可欠である。本研究により,依存症者への適切な支援を可能とし,依存症者の社会復帰の一助とする。
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研究実績の概要 |
2021年度に実施できなかったインタビュー調査の分析を終了した。質的研究の専門家および依存症治療の専門家に協力を仰ぎ,かつ依存症当事者に分析後のデータを確認してもらうトライアンギュレーションの手続きを完了した。分析結果は当初の仮説と異なり,治療脱落(ドロップアウト)の理由が言語化されにくく,治療継続ができている理由の方が多く報告された。また,主治医および当事者施設の施設長と良好な関係を築けていることが,治療継続要因として抽出された点は,本研究の新しい発見と考えられる。なお,研究成果は現在学会発表および論文化のために準備を進めている。 一方で,大学内の業務が多忙を極め,研究時間の捻出が困難となっている。そのため,研究時間を確保するために所属機関の変更を検討したため,半年分の研究が遅延した。これは,Covid-19の影響と併せて,本研究の執行において予想外の事態であった。 ここから先は,過去2年間の研究遅延を取り戻すべく,依存症当事者を対象とした調査を行い現時点の研究結果を数量的に分析し,医療者向けの研修プログラムの開発を行う。研修プログラムの開発は,医療教育に詳しい研究者から内諾を得ている。また,医療系の大学複数校の教員とも共同研究を行っていることから,医療者への研修は実施が容易である。研究結果の新規性から,依存症者の治療継続を目的とした介入にプラスの情報が多く,応用性も高い。そのため,本研究は依存症治療に関わる医療者の教育に貢献できると判断される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
Covid-19の影響で,2年間インタビュー調査が実施できなかったことが,現時点においても影響が大きい。本研究は,インタビュー調査,アンケート調査,医療者向けのプログラム検証という3段階で構成されている。しかし,第1段階のインタビューが実施できなかったことで,全ての工程が遅延している。併せて,所属機関の学内業務が激増し,エフォートが当初の予定よりも確保できなかったことも影響している。 第2段階および第3段階の準備をしていたことから,今後は研究スケジュールの速やかな実行が行いやすくなるとは考えられるが,今しばらくの研究期間が必要である。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度までに,インタビュー調査の分析は終えることができた。現在,第2段階であるアンケート調査の準備を進めており,2023年度上半期中に調査の実施を計画している。アンケート調査については,協力関係にある依存症の当事者団体へは調査協力が可能であり,さらに依存症治療の専門家に協力依頼をしている。第3段階の医療者向けの研修プログラムについては,アンケート調査の準備を並行して作業を行っている。研修プログラムの開発については,医療教育を専門とする研究者数名から協力の内諾を得ている。
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