| 研究課題/領域番号 |
20K14192
|
|---|
| 研究種目 |
若手研究
|
| 配分区分 | 基金 |
|---|
| 審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
|
|---|
| 研究機関 | 岩手医科大学 |
|---|
研究代表者 |
藤澤 美穂 岩手医科大学, 教養教育センター, 講師 (60625838)
|
|---|
| 研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
| 研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
| 配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
|
|---|
| キーワード | 支援者支援 / 災害支援 / 心理職 / コンピテンシー |
|---|
| 研究開始時の研究の概要 |
災害支援者は支援活動中に大きなストレスを被ることがこれまでも指摘されており、災害支援者へのサポートは災害メンタルヘルスにおける重要課題の一つである。本研究では、公認心理師・臨床心理士等の心理職が、災害支援者支援に関わる上で必要とされるコンピテンシーを明らかにすること、その中でも特に重要なキー・コンピテンシーを解明することを目的とする。
研究手法はインタビュー調査及び質問紙調査を実施し、その分析をおこなう。
本研究成果が心理職養成教育に反映された場合、支援者支援の充実が図られ、効果的かつ実行力が高い支援者支援の実現につながることが期待される。
|
| 研究実績の概要 |
本研究は、心理職（公認心理師、臨床心理士等）において、災害時の支援者支援に必要なコンピテンシーを明らかにし、その中でも重要となるキー・コンピテンシーを解明することを目的としている。2023年度は、前年度に実施した質問紙調査の解析の継続と文献調査に取り組んだ。
1）災害支援経験者を対象とした質問紙調査の解析：本研究は支援者への支援に関わる職種のひとつである心理職（公認心理師・臨床心理士等）の「災害時の支援者支援コンピテンシー」を特定するため、災害経験を有する対人援助職に対し質問紙調査を実施した。調査と分析はデルファイ法を用い「合意率」を設定し、合計3 ラウンドの調査を実施した。第3 ラウンドの回答者数は98 名であった。最終的に合意を得た項目は53項目中46項目であった。また心理教育、相談対応等の計9カテゴリーにおいて、構成する項目すべてが合意率を充たした。これらの結果をまとめ、研究協力者との検討を重ね、論文投稿をおこなった。
2）文献調査：日本国内の文献を対象に「支援者支援」として取り組まれている実践を把握することを目的に、文献調査をおこなった。結果、1）支援者支援を扱う論文は東日本大震災発生の2011年以降増加傾向にあること、2）2020年から2023年に刊行された支援者支援に関する文献においては実践報告が最多であること、3）支援者支援の実践は平時・有事を通じてなされており、「支援者」には対人援助職の他にもクライエントの家族を想定した取り組みが行われていたこと、そして平時・有事を通じメンタルヘルス支援とスキルアップ支援が実践されていたこと、等を明らかにした。
また、災害時の支援者支援に関するシンポジウムに発表者として参加し、ディスカッションに関与した。
|
| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症対策に伴う研究代表者・研究協力者・調査協力者の業務多忙、ならびに自然災害発生に伴う調査協力者の過負担状況の考慮から、研究計画策定時より調査時期を遅らせる等の対応をとった。加えて、文献調査等により、考慮すべき新たな観点が見出されたため、その情報の収集と検討をおこなったことにより、調査項目確定に時間を要した。そして自然災害発生に伴う研究代表者・研究協力者の業務負担を考慮したスケジュールを再設定したことから、研究進行の全体に遅れが生じた。
|
| 今後の研究の推進方策 |
1．心理職以外の職種における災害支援コンピテンシーに関する文献調査を進める。
職種や職域により、必要とされるコンピテンシーは異なると想定されるため、心理職以外の対人援助職における災害支援領域のコンピテンシーについて、文献調査により整理する。
2．調査結果をまとめた報告書を作成し、関係者に向け発信する。
本研究課題で実施した調査により得られた結果・考察をまとめ発信する。
|
