研究課題/領域番号 |
20K14204
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 人間環境大学 (2022-2023) 福山大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
武田 知也 人間環境大学, 総合心理学部, 講師 (70748061)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | うつ病 / 予防 / 大学生 / うつ病のためのメタ認知トレーニング / D-MCT / 認知行動療法 / 初年次教育 / 無作為化比較試験 / 抑うつ / 認知の偏り / メタ認知 / Covid-19 / Covid-19により学習面で生じた不安 / Covid-19により経済面で生じた不安 / メタ認知トレーニング |
研究開始時の研究の概要 |
大学生の抑うつ傾向は高く、高い抑うつ傾向はうつ病への危険因子となることが知られている。そのため、大学生を対象としたエビデンスのある抑うつ予防プログラムの考案は喫緊の課題である。 本研究では、抑うつ傾向を示す大学生を対象に、うつ病に対するメタ認知トレーニング(Metacognitive Training for Depression;D-MCT)を実施し、抑うつ気分だけでなく、抑うつに対するレジリエンスとして機能する肯定的認知やメタ認知に対する効果検証を行う。
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研究成果の概要 |
初年次教育において実施したD-MCTは,うつ尺度のカットオフ得点を超える者において,否定的自動思考の生起頻度と思考統制の必要性に関する信念を低下させることが認められた。D-MCTは,否定的な自動思考をもたらす認知の偏りを介入ターゲットとし,自動的に生じる認知の偏りに気づき,対処スキルを用いることで認知の幅を広げることを目指している。カットオフ得点を超える者に関しては,日常において自身の認知の偏りに気づき,対処スキルを用いたことにより,否定的自動思考の生起頻度が減少した可能性がある。さらに,否定的自動思考の生起頻度が減少することに伴って思考を制御する必要性に関する信念が改善した可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、うつ病の発症ピーク時期に該当する大学1年生を対象に、うつ病のためのメタ認知トレーニング(D-MCT)を行い、うつ症状やうつ症状と関連する認知に対する介入効果を無作為化比較試験を用い検証した。その結果、ベースライン時にうつ尺度のカットオフ得点を超えるものに対しては、否定的自動思考や思考制御に関する信念を低下させることを明らかにした。本研究の結果は、D-MCTがうつ病予防プログラムとして有効な可能性を示唆するものである。一方で、うつ症状に対する改善効果を示さなかったため、本研究の成果や経験をもとにプログラムを改善し、研究を積み重ねていく必要がある。
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