研究課題/領域番号 |
20K14206
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
谷渕 真也 香川大学, 医学部, 准教授 (90583071)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 多文化カウンセリング能力 / 尺度作成 / 心理職養成 / プログラム開発 |
研究開始時の研究の概要 |
1990年代以降,わが国は外国人労働力の受け入れを推進しており,平成31年4月の改正入管法の施行により今後その数がますます増加することが見込まれる。外国人労働者やその家族は心理社会的適応上のさまざまなリスクを抱え心理学的支援のニーズが高い。多文化に対応した心理学的支援を行うには,専門職に多文化カウンセリング能力(以下Multicultural Counseling Competences: MCC)が求められるが,その職能を高める訓練体制は確立されていない。 そこで本研究では,心理専門職を志望する大学生・大学院生を対象に,MCCの効果的な訓練プログラムを開発することを目的とする。
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研究実績の概要 |
研究1の尺度作成では,多文化カウンセリング能力に関する国内外の先行研究,地域の支援活動の日本人スタッフおよび外国人当時者との協議,滞日外国人対象の心理支援やマイノリティへの心理支援の経験豊富な臨床心理士・公認心理師との協議,心理職養成課程在学中の大学院生5名の自由記述をもとに,心理職養成課程の学部生・大学院生の多文化カウンセリング能力を測定する学生用多文化カウンセリング能力尺度 (29項目) を作成した。この尺度は,各項目の内容が,どの程度役に立つと思うかの結果予期とその内容を自分がどの程度できると思うかの効力予期の2側面について,それぞれ4件法で回答を求めるものである。 研究2の訓練プログラムの開発と効果評価では,多文化接触への積極的態度を高める「気づき編」と地域の外国人とのコミュニケーションで重要なやさしい日本語の運用能力を中心とする「知識編」の2部構成の訓練プログラムを開発し,臨床心理学を専攻するが学部生・大学院生24名を対象にプログラムを実施した。プログラム実施前後に,学生用多文化カウンセリング能力尺度,地域に暮らす外国人への援助行動尺度6項目,Cross-Cultural Counseling Inventory-Revised (CCCI-R: LaFramboise, Colman & Hernandez, 1991) 20項目の内容を本人の自己評価で回答する尺度への回答を求め,プログラム前後の尺度得点の変化を明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究1の尺度の作成と心理職養成課程の学部生・大学院生の多文化カウンセリング能力の実態把握においては,尺度の信頼性・妥当性の確認と実態把握のための多数の学部生・大学院生を対象とする調査に未着手であった。
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今後の研究の推進方策 |
研究1の大規模な調査の実施を令和6年度の早い時期に実施する。また,研究2の成果を学会等で公表する。また研究成果全体を公表するウェブサイトを年度内に公開する。調査の実施・分析,成果の公表のために機器備品,消耗品,人件費,旅費に助成金を使用する。
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