研究課題/領域番号 |
20K14220
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 弘前大学 (2021-2022) 大阪大学 (2020) |
研究代表者 |
大庭 輝 弘前大学, 保健学研究科, 准教授 (60783412)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 認知症 / 孤独感 / コミュニケーション / 介護 / 認知機能評価 / スクリーニング / 自然言語処理 / 認知機能検査 / アセスメント / 会話 / 自然言語解析 / 介護者 |
研究開始時の研究の概要 |
近年の認知症を取り巻く課題として、医療的側面からは「認知症発症に至る前段階(軽度認知障害)での早期発見や原因疾患別の支援の必要性」、福祉的側面からは「施設利用者の認知機能アセスメントと職員とのコミュニケーション促進の必要性」、そして地域的側面からは「民間企業の職員など非専門職における認知症の発見とその対応」が挙げられる。本研究課題では、認知症を取り巻く医療・福祉・地域の課題の解決に向けた、日常会話による認知症評価法の活用可能性について検証する。
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研究実績の概要 |
日常会話式認知機能評価の活用法について、コミュニケーションの促進という点に着目し、コミュニケーションが心理的にどのような影響を及ぼすのか、健常の中高年者560名を対象としたアナログ研究を行った。普段誰と会話をしているか、会話にどの程度満足しているか、会話に使用しているツールはどのようなものかについて尋ねた。分析の結果、子どもや孫との会話頻度は年齢が上がるにつれて少なくなっていた。一方、友人との会話頻度は年齢が上がるにつれて増えていた。子どもや孫との会話頻度の減少は、ライフステージの変化による影響が考えられた。また、友人との会話は年齢が上がるにつれて満足度が高くなっていた。コミュニケーションに使用するツールは、配偶者は対面だが、その他の関係性については電話やメールを使用していることが多く、居住形態の影響と考えられた。コミュニケーションが心理的にどのような影響を及ぼすのかを検証するために、孤独感を従属変数として、コミュニケーションの頻度と満足度を説明変数とした重回帰分析を行った結果、コミュニケーション頻度よりも満足度が孤独感の緩和に影響することが示された。健常高齢者を対象としたたため認知症高齢者に一般化できるかは更なる検証が必要であるが、会話の頻度は少なくとも質を高めることで施設で生活する高齢者の孤独感の緩和にも役立つ可能性が示唆された。今後の研究として、施設で生活している高齢者と職員のコミュニケーション及び日常会話式認知機能評価の活用についての調査を計画しており、倫理審査の承認を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
医療機関における調査で、調査対象となる患者が少なくリクルートが遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
リクルートの遅れによる研究遂行の遅れを補うために、健常高齢者を対象としたアナログ研究や福祉施設での調査を行う。
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