研究課題/領域番号 |
20K14231
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
富田 望 早稲田大学, 人間科学学術院, 講師(任期付) (30823364)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 社交不安症 / 自己注目 / 視線計測 / 生態学的経時的評価法 / 視線知覚 / 注意の偏り / メタ認知的信念 / ドット・プローブ課題 / 視線追尾 / バーチャルリアリティ / 認知行動療法 |
研究開始時の研究の概要 |
社交不安症 (Social Anxiety Disorder: SAD) は、10人に1人が罹患する精神疾患であり、自己注目(自己への過度な注意)という注意の問題が中核的な維持要因となっている。本研究では、①眼球運動と瞳孔径や瞬目数、心拍の情報から社会的場面における自己注目状態を検出する方法論を確立すること、②自己注目の生起を予測する環境中の刺激を明らかにすること、③バーチャルリアリティの空間上に②で明らかにされた刺激を呈示し、自己注目が生起しやすい状況であっても注意を適切にコントロールできるようにするための新たな介入システムを開発することを目的とする。
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研究実績の概要 |
第1に、社交不安症における自己注目状態をリアルタイムで検知・フィードバックするシステムを開発するために、インタラクティブバーチャルリアリティスピーチシミュレーションシステム(Liao et al., 2018)を用いた、フィージビリティスタディを実施した。本システムは、VR上でスピーチ課題を行うプログラムであり、実験参加者(発話者)の反応によって聴衆であるアバターのフィードバックが変化するという相互作用が組み込まれている。大学生1名を対象にVR上でスピーチ課題を実施した結果、VRでのスピーチ課題によって、状態不安、自己注目、外的な脅威刺激(アバターの聴衆)に対する注意バイアスが高まることが各尺度得点の変化によって確認された。今後は、本システムを用いてデータを収集するとともに、フィードバックのシステムを改良していく必要がある。 第2に、大学生37名を対面スピーチ・自己像有り(鏡を呈示)群、対面スピーチ・自己像無し群、オンラインスピーチ・自己像有り(参加者自身のビデオをオンにする)群、オンラインスピーチ・自己像無し群に振り分け、スピーチ課題中の不安、自己注目、客観的な視点の程度を比較した。その結果、オンラインや対面に関わらず、自己像が有る場合は無い場合と比較してスピーチ中の自己注目が低減することが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
バーチャルリアリティー(VR)のシステム作成や自己注目を視線情報によりリアルタイムでモニタリングする方法を開発することに時間を要しており、本課題の到達目標としている研究については予備的な検討に留まっているため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、今年度に完成したシステムを用いてデータを収集するとともに、自己注目の程度を基に聴衆のアバターの反応を変化させていくシステムを共同研究者とともに開発していく。
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