研究課題/領域番号 |
20K14238
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 広島国際大学 (2021-2022) 山形大学 (2020) |
研究代表者 |
中村 志津香 広島国際大学, 健康科学部, 講師 (70846922)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 仕事からのディタッチメント / 在宅勤務 / 思考制御能力 / 持続的注意課題 / マインドワンダリング / 労働者のメンタルヘルス / ワーク・エンゲイジメント / テレワーク / ディタッチメント / 労働環境 / 認知行動的要因 |
研究開始時の研究の概要 |
仕事を終えた後、仕事と心理的な距離をとること(以下:仕事からのディタッチメント)は労働者のメンタルヘルスを良好に保つために重要な要因である。本研究では、労働者のメンタルヘルスの保持・増進に寄与し、ウェルビーイングの実現に繋がる心理的支援を充実させていくための知見を得ることを目的とし、労働者における仕事からのディタッチメントに関係する要因を明らかにする。
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研究実績の概要 |
2022年度は、2021年度に引き続き、オンライン調査により収集したデータの分析を主として行った。 思考制御能力の高さと仕事に関連する思考の生起との間には正の関連があること、在宅勤務の頻度の高さと仕事に関連する思考の生起は正の関連がある、という仮説を立てて研究を行った。その結果、勤務形態の違いは仕事に関連する思考の生起に影響しなかった。その理由として、本研究の分析対象者の半数は、ほとんど毎日出社しているという労働形態であった。このことから、勤務形態による違いが生じなかったことが考えられた。一方で、思考制御能力の自己評価が高い群は、就業時間外に仕事について考えにくいことが明らかになった。このことから、思考制御能力を高めることは、仕事と私生活の切り替えを行い、余暇活動に没頭するために必要であると考えられた。 この研究は、自記式質問紙による主観的な評価に加え、持続的注意課題を用いて生態学的妥当性を高めたという点で非常に有意義であり、思考制御能力を高めることで仕事からのディタッチメントを向上することが可能となるのではないか、という新しい知見を得ることができたという点で重要な成果となった。 この研究結果は、日本心理学会第86回大会において、一般演題として発表を行った。 それに加え、2022年度は、先述した調査の結果と2020年度に行った調査およびデータ分析の結果をまとめ、論文執筆を行っている段階である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
異動に伴う研究環境の整備に依然として時間を要したことが理由として挙げられる。
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今後の研究の推進方策 |
現在執筆している論文を国際誌に投稿できるよう、引き続き執筆を行っていく。また、次回の調査に向けて調査項目を精査していく。
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