研究課題/領域番号 |
20K14243
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 九州龍谷短期大学 (2021-2022) 久留米大学 (2020) |
研究代表者 |
三原 健吾 九州龍谷短期大学, 人間コミュニティ学科, 講師 (30846572)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 心理的ウェルビーイング / 自己成長感 / 急性心理社会的ストレス / 唾液中free-MHPG / 心拍変動 / 回復性 / 唾液中バイオマーカー / ノルアドレナリン神経系 / コルチゾール / 主観的健康感 / 人生の意味 / 精神的健康 / 睡眠の客観的評価 / 横断的調査研究 / eudaimonic well-being / フィールド-実験的研究 / 精神神経内分泌免疫学的反応 / 健康行動 |
研究開始時の研究の概要 |
私たちの心身健やかで幸福な生活の実現に向けて,ストレスと健康に及ぼすwell-beingの適応的役割に注目が集まっている。本研究では,心理的 well-being(生きがいや自己成長の追及にかかわる心の特質)がストレス過程に及ぼす生物心理的機能の解明を目指す。具体的には,①心理的 well-beingと生物学的機能及び健康行動(睡眠,運動,食習慣)との関連性と,②心理的 well-beingが急性ストレスを負荷した際の生物心理学的ストレス反応の大きさ(反応性)や回復の素早さ(回復性)に与える影響をバイオマーカー(連続血行動態,精神神経内分泌免疫学的反応)を用いて明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,大学生を対象に,心理的ウェルビーイング(生きがいや自己成長感の追及にかかわる心の特質)が心身の健康に及ぼす心理生物的機能の解明を目指すことである。 今年度は,心理的ウェルビーイングが実験室で急性心理社会的ストレスを負荷した際の心理生物学的ストレス反応(free-MHPG,心拍変動HF成分,心拍数,主観的ストレス)の反応性や回復性に与える影響を検討した。横断研究(研究1)において,6次元で構成される心理的ウェルビーイングの中でも,特に,自己成長感と唾液中free-MHPG(ノルアドレナリンの最終代謝産物)及びコルチゾールとの関連が見られたことから,自己成長感得点の高・低得点者を抽出し実施した。結果は,人格的成長感の高得点群は低得点群と比較し,急性ストレス負荷後のfree-MHPG及びHF成分(副交感神経活動を反映)の回復がより速やかであった。また,主観的ストレス反応においては,高得点者は低得点群と比較し,安静期及び回復期の緊張覚醒得点が低かった。これらの結果は,ネガティブ感情,性別,BMIを統制したうえでも有意であった。これらの結果から,大学生における自己成長感の自覚の強さは,実験室で急性ストレスを負荷した際の心理生物学的ストレス反応の回復性に影響を与えることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の研究計画に従って,急性ストレス負荷による実験研究は実施した。しかし,covid-19の社会的影響と研究代表者の所属機関変更による研究環境の変化により,バイオマーカーの測定が限定的となった。そのため予定していた縦断研究における質問紙とバイオマーカーとの関連性に関する検証が完了していない。以上のことから,心理的ウェルビーイングと生物心理社会的要因との双方向的関連性に関する知見の集約がやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
心理的ウェルビーイングと生物心理社会的要因との双方向的な関連性を検証するために,1年間にわたって,4ヶ月毎に唾液採取と心理社会的要因を評価する質問紙への記入を求める縦断研究を実施する。
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