研究課題/領域番号 |
20K14249
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10040:実験心理学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター |
研究代表者 |
請園 正敏 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 知的・発達障害研究部, リサーチフェロー (50787778)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 社会的促進 / 前部帯状回 / 摂食行動 / 自閉症モデル動物 / リーチング / 視点取得 / 覚醒度 / 線条体 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、他者から見られている場合(観察効果)、もしくは他者とともに同じ課題に取り組む場合(共行動効果)に、一人で課題に取り組む場合よりもパフォーマンスが増加する現象、「社会的促進」の神経基盤の解明に取り組むことを目的とする。観察効果と共行動効果が同一の神経メカニズムによって生じる効果なのか、実験動物において検討する。①共感や視点取得と関連がある前部帯状回の破壊実験により、観察効果および共行動効果への影響の検討と②ドパミン阻害薬を線条体へ局所投与することで、観察効果および共行動効果への影響と、前部帯状回との関係を検討する。神経科学的アプローチにより心理学の理論を更新していくことを目指す。
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研究実績の概要 |
本研究は社会的促進のメカニズム検討のため、前部帯状回破壊が及ぼす社会的促進への影響を検討することが目的である。 社会的促進とは、他者の存在の有無によって促進が生じる現象であり、他者の存在が観察者であるときと(観察効果)、他者の存在とともに同じ課題に従事するとき(共行動効果)とで、分けられている。前部帯状回を破壊したラットにおいて、水飲み行動およびパスタ摂食行動において、観察効果が生じず促進がみられなかった。一方、共行動効果には前部帯状回破壊の影響がみられず、促進が生じた。これまで、水飲み行動に特異的に生じる結果であるかどうかが問題であったが、異なる行動試験、摂食行動においても同様の結果が得られ、行動試験が完了した。
脳スライス作成完了し、すべての染色が完了し、破壊範囲の算出がほぼ完了している。現在執筆準備中である。
統合失調症モデルラット(MKラット)を用いて検討した結果について、再投稿前である。MKラットでは、溶媒群と比較して、観察効果と共行動効果がみられなかった。さらに、ボックス内への馴化がMKラットでは難しいことが先行研究より明らかであるため、ホームケージ内にて、共行動効果に焦点をあて追加検討した。その際、ペアをモデル動物同士から、ナイーブ個体をペアの相手として、より促進効果が高まる状況にし、共行動効果について検討したところ、MKラットでは促進が生じなかった。MKラットは線条体の変異が報告されていることから、今後実施予定の線条体操作による共行動効果への影響の検討につながる成果である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
行動試験が完了し、染色が完了し、執筆準備中であるため。
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今後の研究の推進方策 |
統合失調症モデル動物について、ショートペーパーで出すがなかなか難しい状況で、色々と戦略を組みつつ投稿先を探しているので、良い投稿先があれば、すぐに投稿していく。
ACC破壊の社会的促進については、破壊領域を測る作業もほぼ完了したため、執筆し投稿世予定である。
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