研究課題/領域番号 |
20K14253
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10040:実験心理学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
新屋 裕太 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 特任助教 (20803828)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 乳児 / 聴覚運動統合 / 自律神経系 / アロスタシス / 運動 / 発声 / 心拍 / 音楽性 |
研究開始時の研究の概要 |
私たちの音声生成には聴覚-運動系の相互作用が不可欠である。発達初期の時点で、両者の統合に基づく学習をすでに開始していることが示されているが、その際の神経生理学的なプロセスについてはほとんど検討されていない。本研究は、乳児を対象に自発発声および四肢運動を聴覚フィードバックし、新たな聴覚-運動感覚の統合が生じる過程での運動・抹消生理活動の変化を測定し、その際にアロスタシス制御 (行動・生理的制御による動的なホメオスタシスの維持) がどのように生じるのかを明らかにする。また、このようなアロスタシスの個人差と目標志向的な運動の生起や、自己制御発達との関連を検討することで、その発達的役割の解明を目指す。
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研究成果の概要 |
乳児期の聴覚-運動感覚の統合過程において予測的なホメオスタシスの維持が行われる可能性について検証することを目的とし、乳児期早期の児を対象に、四肢運動および自発発声を聴覚フィードバックし、その際の行動・生理活動の変化のプロセスや両者の相互作用を検討した。その結果、申請者らは、生後3ヶ月児は四肢運動の可聴化経験を通じて、運動頻度を増加させることに加え、聴覚フィードバックのタイミングを予期して心拍数の増加を抑制していることを明らかにした。この結果は、乳児期の聴覚-運動学習の際に心血管系の予測的な制御が行われていることや心血管系の予測的な制御が、目標志向的行動や音楽行動の基盤となることを示唆している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、新規の聴覚-運動関係の統合学習の過程における心血管系の予期的制御を詳細に検討したものであり、後の音声言語や音楽性の発達に重要な聴覚-運動統合の神経生理学的機序の解明に示唆を与えると考えられる。また、聴覚フィードバックを用いた運動機能のリハビリテーションは、すでにパーキンソン病患者や高齢者などを対象に行われているが、運動や自己制御発達に困難さを抱えるリスク児 (早産児など) に対し、聴覚フィードバックを用いた発達支援の提案に貢献する可能性がある。
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