研究課題/領域番号 |
20K14256
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10040:実験心理学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
難波 修史 国立研究開発法人理化学研究所, 情報統合本部, 研究員 (20845961)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 表情 / 感情 / 驚き |
研究開始時の研究の概要 |
情動の体験に伴って生じる表情が,体験の伴わない意図的に作成された表情とどのように異なる表出的特徴を有しているかは明らかとなっていない。そこで驚き情動に着目して,驚きを体験した際の表情と,驚いているふりをした表情とでは表情変化の時系列パターンが異なるかについて比較検討する。また,体験の伴う驚き表情がより強く知覚者の注意を捕捉するかを検討することで「知覚者にとっても有意味な違い」であるかを調べる。さらに,日本人と英国人を対象とした研究を行うことで文化圏を越えた頑健性を確認する。本研究を通じて,体験の伴う表情の時系列情報を明らかにし,生態学的妥当性を高めた心理学実験の実現という応用へとつなげる。
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研究成果の概要 |
体験の伴う表情が体験が伴わない意図的に作成された表情とどのように異なる表出的特徴を有しているかは明らかとなっていない。そこで本研究では,体験の伴う表情はどのような形態的特徴を有するか,「体験が伴う」と判断される表情はどのような形態的特徴を有するか,そしてそれらの表情を観察者はどのように解するか,という点に関して日英で協力して研究を展開した。その結果,体験の伴う驚き表情に関しては、表情反応に非対称性があり、相互相関が驚いたふりをする表情よりも小さくなることが明らかとなった。これらの研究成果により,広く「体験の伴う」表情の時系列パターンについて多くのことが記述出来た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
「体験の伴う」表情について明らかにすることは,感情の理論を再構築するための基盤を提供する意味で学術的意義を持つ。従来の感情理論は,基本感情理論と呼ばれる感情と表情の対応を意図的に作られた表情に依拠して説明するモデル (e.g., Ekman, 1999) であった。そのため,「実際の感情が生じる場面」での説明力が希薄であり,その理論に依拠して作られた感情推定アルゴリズムなども失敗を余儀なくされてきた。本研究成果はそれら従来の問題に対して,「実際の感情体験場面で生じうる平均的な表情運動」を記述するものである。すなわち,より精度の高い感情推定アルゴリズムの開発に与する社会的意義も有している。
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