研究課題/領域番号 |
20K14262
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10040:実験心理学関連
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
渥美 剛史 杏林大学, 医学部, 助教 (90781005)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 自閉症 / 感覚過敏 / マウス / fMRI / 時間認知 / 抑制機能 / QPS / 注意 / マウスモデル / 自閉症スペクトラム障害 / 機能亢進 / GABA / モデル動物 / MRI |
研究開始時の研究の概要 |
自閉症スペクトラム障害(ASD)では、無関係な情報にも逐一引きつけられる特異な注意機能や、些細な刺激への感覚過敏がみられる。これらは刺激の局所情報の処理が優位であるASDの知覚機能の亢進を反映するものと考えられる。我々は、ASDの知覚機能亢進や感覚過敏は、ASD者で広くみられるγアミノ酪酸(GABA)の機能不全に起因した前頭前野からの抑制性制御異常により生じていると考えた。このことを検証するため、障害当事者での非侵襲的な脳機能解析やモデル動物での電気生理・薬理実験へ、ヒトと動物を比較可能な共通した心理物理実験を適用することで、障害の認知・行動特性からミクロなレベルまでの連続的な理解を試みる。
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研究成果の概要 |
自閉スペクトラム症(ASD)の感覚過敏や特異な注意機能に関与する神経・分子基盤を解析した。妨害刺激の時間認知への効果を分析したところ、注意や反応抑制に関与する前頭葉機能が低いASD者では、妨害効果が強いほど強い感覚過敏がみられた。時間課題での情動顔呈示により、ASD者では成績が向上するほど、前頭前野を中心に高い神経活動がみられた。自閉症モデルマウスでは、分解能が低い系統で、課題非関連刺激の時間課題への強い効果がみられた。一方、マウス前頭前野の活性化ではその効果は低下傾向であった。以上から、一部の遺伝的背景のASDでは、前頭前野が感覚過敏や情動に起因した情報処理の増強に関与することが推察される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
自閉症スペクトラム障害(ASD)では、無関係な情報にも逐一引きつけられる特異な注意機能や、些細な刺激への感覚過敏がみられる。これらは刺激の局所情報の処理が優位であるASDの知覚機能の亢進(EPF)を反映するものと考えられる。これまで、ASDの注意機能と感覚過敏の関係、およびその背景は明らかではなかった。感覚過敏のメカニズムについてその解明は未だ端緒についたばかりであるが、本研究の知見は一部のASD当事者では前頭前野の特異な活動が過敏性を増強に関与していることを示唆するものである。過敏性の神経・分子生物学的基盤の解明から、将来の分子ターゲットや介入法の構築への足がかりを得ることが期待される。
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