研究課題/領域番号 |
20K14269
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10040:実験心理学関連
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研究機関 | 法政大学 (2022) 同志社大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
竹島 康博 法政大学, 文学部, 講師 (50755387)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 視聴覚統合 / 異種感覚間相互作用 / 同時性知覚 / 急速時間再較正 / 処理速度 / 空間周波数 / 視聴覚相互作用 / 分裂錯覚 / 二重提示課題 / 時間順序判断 / 多感覚統合 / 時間情報処理 / 視覚処理速度 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,視覚情報を処理する上で生じる処理の時間差が聴覚との同期判断を行う上でどのように関与するかを調べることにより,視聴覚間のタイミングの知覚メカニズムを解明することを目的としている。視覚処理が速い情報と遅い情報が混在している中で,どのように聴覚との同時を判断しているかを実験的に明らかにし,人間にとって重要な異種感覚間の情報を統合する機能のメカニズムの一端に迫る基礎的な研究を行う。
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研究成果の概要 |
本研究課題では,視聴覚刺激間の同期知覚の処理過程で視覚刺激の処理速度の情報がどのように寄与するのかについて,実験的に検討した。研究の成果として,主観的に同期と知覚されるタイミングは視覚処理が速さに応じて変化することが繰り返し確認された。また,視覚刺激が処理速度の異なる2つの特徴を含む場合には,処理速度が遅い方の特徴が強く寄与する可能性が示された。一方,先行する情報に応じて視聴覚間の同期知覚のタイミングを調整する処理段階では,視覚処理の速度の違いを補正していることも示された。本研究の遂行により,視覚の処理速度の情報が視聴覚間の同期知覚の処理過程で柔軟に用いられることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題では,視覚の処理速度の情報も視聴覚間の同期知覚に処理過程で利用されていることを明らかにした。異なる感覚情報同士の相互作用は魅力的な映像作品の作成に応用可能な技術であり,同期の知覚はその相互作用の生起に重要な要素の1つである。本研究の成果は,異種感覚間の相互作用を効果的に引き起こすための基礎的な知見を提供するものである。加えて,異なる感覚の情報を利用する情報処理は外界の安定した知覚を効率よく形成する重要な機能である。本研究の成果は,このような異種感覚情報の統合処理へも有益な知見を提供するものである。したがって,人間の感覚情報処理システムの理解に寄与した点も本研究成果の意義と言える。
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