研究課題/領域番号 |
20K14270
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10040:実験心理学関連
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
鎌田 泰輔 京都大学, 医学研究科, 特定研究員 (30844667)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
|
キーワード | ドーパミン / 動機づけ / 光遺伝学 |
研究開始時の研究の概要 |
ある出来事や行動の後に期待通りの結果が伴わなかった場合であっても、諦めることなく結果の予測や行動を継続させることで、将来の成功につながる可能性がある。つまり、適度なレベルでのこの動機づけは日常生活において重要であると考えられる。しかし、この機能を担う神経メカニズムは明らかになっていない。本研究は、先行刺激や行動にある一定の確率で報酬が伴う課題を遂行中の動物に対し、神経回路特異的な活動計測法や活動操作法を用いることで、脳の複数領域間の神経回路が果たす役割を明らかにする。
|
研究成果の概要 |
あらゆる目標達成場面においてヒトは、自分の行動に期待通りの結果が伴わない場合でも、すぐに諦めることなくその行動を続けることで、将来の成功につなげる。しかし、この機能の神経メカニズムは明らかになっていない。報酬を得るためにレバー操作を行うラットに対し予告なしに報酬を打ち切ったところ、それにも関わらずラットはしばらくの間レバー操作を継続した。線条体に放出されるドーパミン(DA)量とレバー操作は相関していた。また、線条体DA細胞の軸索末端を刺激したところ、レバー操作が影響された。つまり、線条体に投射するDA細胞やそれから放出されるDAが期待外れを乗り越える動機づけに関わっていることが示された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
期待外れを乗り越える動機づけは、適度なレベルを逸脱した場合に、日常生活に支障がでることが想定されるにも関わらず、この機能の神経メカニズムは検証が始まったばかりである。本研究の結果は、線条体に投射する中脳ドーパミン細胞がこの動機づけに関わっていることを示している。この成果は、抑うつ、ギャンブル依存や薬物依存症といった精神疾患の診断・治療法の開発に寄与するだろう。
|