研究課題/領域番号 |
20K14274
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10040:実験心理学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
川島 朋也 大阪大学, 大学院人間科学研究科, 助教 (70825851)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 視覚的注意 / 注意の瞬き / 神経律動 / 感覚引き込み / MEG / 脳律動 / ワーキングメモリ / 認知制御 |
研究開始時の研究の概要 |
注意は必要な情報を優先的に処理するための機構であり、ワーキングメモリは情報を保持し操作するために重要な認知機能である。ワーキングメモリに保持した情報が注意を誘導するなど、注意とワーキングメモリは密に相互作用することが知られている。本研究では、注意に見られるリズム特性に着目し、ワーキングメモリによる注意制御の処理機構を解明することを目指す。本研究を遂行することで、注意とワーキングメモリの関係性について、リズム特性を組み込んだ新しい説明の枠組みを提供できることが期待される。
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研究実績の概要 |
ヒトの脳活動にはいくつかの神経細胞が集団で同期して活動することによる律動波が認められる。近年、この神経律動と視覚的注意の関連が注目されている。注意の時間的限界を示す例として知られる注意の瞬き(AB)は、ワーキングメモリの刺激処理によるボトルネックが関与する可能性が指摘されている。 神経律動と注意の瞬きの関連の因果性に迫るために、感覚引き込みの手法を用いて注意のリズム性をオンライン実験で検討した。感覚引き込みとは、周期的な感覚刺激を呈示することで脳活動を特定の周波数に引き込むことを試みるものである。実験では、注意の瞬き課題の直前に4 Hzまたは10 Hzの音刺激を呈示した。実験の結果、10 Hzの引き込み音刺激の呈示後は後続のRSVP AB課題(1秒に10個の視覚刺激が連続呈示される課題)における注意の瞬き強度が増大した。一方、4 Hzの引き込み音刺激の呈示後はskeletal AB課題(2つの標的刺激のみが呈示される課題)の注意の瞬き強度が増大した。これらの結果はアルファ波とシータ波の2つの神経律動が因果的に注意の瞬きに関与することを示すものである。これら一連の研究成果はEuropean Journal of Neuroscience誌に掲載された。 さらに、音刺激による神経律動の引き込みのメカニズムに迫るために、4 Hzまたは10 Hzの音刺激の呈示とAB課題を組み合わせた心理実験を遂行中の脳活動を脳磁図(MEG)で計測した。既にデータ収集は終了しており、現在データ分析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は新規な実験を遂行することができたものの、育児休業の取得のため当初計画が遅延した。そのため「やや遅れている」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに行った心理実験により、音刺激による感覚引き込みで視知覚が変調する可能性が示唆された。この背景にある神経機序を検証するために脳磁図(MEG)の計測を行った。2023年度はこのデータの分析を行う。さらに、音刺激による引き込みの他の実験パラダイムへの拡張を行い、神経律動と視知覚の関係をさらに検証する。具体的には、先行研究の追試と拡張を行い、ワーキングメモリが感覚引き込みによって影響を受ける過程を実験的に検討する。これらを通して、ワーキングメモリによる注意制御機構の解明に発展させる。
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