研究課題/領域番号 |
20K14277
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分11010:代数学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
入江 佑樹 東北大学, 数理科学連携研究センター, 講師 (10834020)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 組合せゲーム / 表現 / デザイン / 次数付き環 / 組合せゲーム理論 / 組合せ論的表現論 / d完全ポセット / マヤゲーム / Sprague-Grundy関数 |
研究開始時の研究の概要 |
表現論と組合せゲーム理論のつながりを解明し、双方の分野に新たな研究の方向性をあたえることを目指す。 表現論は、数学自体に大きな影響をあたえてきただけでなく、物理学などの他分野へ橋を渡してきた。一方の組合せゲーム理論は離散数学の一分野であり、チェスや将棋といった一般的に遊ばれているゲームも研究対象に含む。1970年代に佐藤幹夫によって「表現と組合せゲームは内部的につながっている」という大胆な予想がされ、近年、研究代表者による研究から実際に深いつながりがあることが分かってきた。本研究では、表現とゲームのつながりを解明し、両分野に新たな研究の方向性をあたえることを目指す。
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研究実績の概要 |
表現論と組合せゲーム理論の新たな展開を目指し、マヤゲームと対称群の表現周辺の研究を進めている。また、前年度までの研究から、研究当初は思いもよらなかったゲーム、ブロックデザイン、次数付き環の間の関係が明らかになったため、こちらの研究も並行して進めている。 まず、ゲームと表現に関する研究については、前年度と同様にこれまでの研究を見直しつつ、計算を進めることを行っている。これまでの研究では表現の分岐に関するある性質がゲームと密接に関係していることがわかっていた。同様の性質が別の場合でも成立していることが予想できているため、その証明を進めている。しかし、いくつかの困難があり、大きな進展を得るには至っていない。 次にゲーム、ブロックデザイン、次数付き環の研究について、これまでの研究から、デザインから得られるゲームの性質を、次数付き環を用いて記述できることがわかっている。さらに、S(5,6,12) と呼ばれる特殊なデザインから得られる環が、他とは著しく異なる性質を有することが判明した。しかし、このような特異な性質を持つ理由については解明できていないため、現在は関連する環論周辺の情報を収集している。特に福室康介氏から様々な有益な情報を提供してもらった。なお、本研究の次数付き環の研究と関係して、可換環論に関する、福室氏との共著論文が出版された。 以上のように令和4年度の研究では、表現に関する研究については大きな進展を得ることはできなかったが、次数付き環との関係に関する新たな知見を得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
次数付き環との関係については進展があったものの、当初の予定であった表現に関する研究について大きな進展が得られていないため。
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今後の研究の推進方策 |
表現に関する研究を継続する。またデザインと次数付き環との研究について、さらなる進展を目指す。
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