配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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研究実績の概要 |
本研究において, 研究代表者は既存のalmost Gorenstein環をn-Goto環という, より普遍的な方向へ深化・発展させ, Gorenstein性との差異を指標とした階層化を通して, 可換環論に新たな展望を齎すことを目標とする。このような拡張を模索するに至った背景には, almost Gorenstein環はその名の通り非Gorenstein環の中でも限りなくGorenstein環に近い概念であり, またこれまでの解析結果から, 非almost Gorenstein環の中にも優れた構造を持つ環が多数発見されているという経緯がある。非負整数nに対して導入したn-Goto環は, n=0の場合にGorenstein 環, n=1の場合にalmost Gorenstein環となるよう構成されており, 整数nの値が大きくなるにつれてGorenstein環から遠ざかり, Cohen-Macaulay環に近付くものである。 2023年度は昨年度までに構築したGoto環の基礎理論の更なる深化・発展を目指し, Sally加群との関連を中心に考察を進めた。具体的な成果としては, 例えば, 環のGoto性がSally加群とその特別な剰余加群の差によって特徴づけられることを示し, その帰結として, Goto環内の拡大正準イデアルのHilbert関数を決定したことが挙げられる。また, Ulrichイデアルの概念をequi-multipleなイデアルに拡張し, イデアル化を用いて高次元のGoto環の豊富な具体例を構成した。 研究代表者は, 2023年9月と2024年3月の日本数学会, 及び2023年7月の可換環論セミナーへ出席し成果発表と合わせて, 情報収集及び研究連絡に従事した。また, 2023年11月には, 神奈川県葉山町で第44回可換環論シンポジウムを主催した。
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