研究課題/領域番号 |
20K14300
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分11010:代数学関連
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研究機関 | 日本電信電話株式会社NTTコミュニケーション科学基礎研究所 (2022-2023) 同志社大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
佐野 薫 日本電信電話株式会社NTTコミュニケーション科学基礎研究所, メディア情報研究部, 研究員 (60867563)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | Diophanus幾何学 / 高さ関数 / 算術次数 / 前軌道問題 / 放物型パラメータ / ノースコット数 / 数論力学系 / Diophantus幾何学 / 数論的力学系 / ディオファントス方程式 / 力学系次数 / ボゴモロフ性 / 代数力学系 / Diophantus 幾何 / Diohantus幾何 |
研究開始時の研究の概要 |
数論的力学系の分野において、代数多様体の自己射の反復合成による有理点の数論的な振る舞いを調べることは重要であり、その一つの取り組みとして川口-Silverman予想がある。 本分野ではこの予想を様々なクラスの多様体とその自己射に対して証明することが期待されている。アフィン空間の自己射については数論的な困難が本質的に関わっていると思われるが、数論的なテクニックを用いた証明が知られている例は代数的トーラスに対するもののみである。従って本研究では、Vojta予想やabc予想(定理)といった数論の大予想と川口-Silverman予想との関連を探る。
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研究成果の概要 |
数論力学系の分野に属する研究を行った。数論的に重要な関数である高さ関数の漸近挙動(=算術次数)についての川口Silverman予想に主な問題意識を持ち、最大算術次数を持つ点の稠密性に関する研究を行った。また、川口Silverman予想から派生して考えられる問題群(前軌道問題や力学系的消去、固定した点の逆像の有理点の問題)や、高さ関数そのものの性質(無限次代数拡大体の一般化したWeil高さについてのNorthcott数)、また、力学系分野で重要視されている放物型周期点をもつパラメータに関する数論的な性質を調べる研究を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
多項式や有理写像が与えられたとき、その反復合成を考えることで力学系が得られる。この力学系について、高さ関数の漸近挙動を表す量である算術次数は数論的な量である。一方で力学系自体の幾何的な複雑さを表す力学系次数という量がある。川口Silverman予想は、幾何的に十分複雑な軌道を持つ点の算術次数が力学系次数に一致する、という予想であり、数論と幾何との密接な繋がりを示している。本研究課題の研究成果はいずれも、数論、幾何、力学系の基礎的な研究であり、川口-Silverman予想をはじめとする数論的力学系分野の応用が見込まれる。
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