研究課題/領域番号 |
20K14333
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分12010:基礎解析学関連
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研究機関 | 新潟工科大学 |
研究代表者 |
冨澤 佑季乃 新潟工科大学, 工学部, 講師 (10809403)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
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キーワード | Busemann 空間 / 一様凸性 / 弱一様凸性 / 凸結合 / 幾何学的性質 / Busemann space / modulus of convexity / uniformly convex / weakly uniformly convex / 非線形距離空間 / CAT(0) 空間 / Hadamard 空間 / 一様凸 / R-tree / 関数解析学 / 幾何学 / 距離空間 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、距離空間の幾何学的特徴(図形の法則性のこと)を明らかにする。線形ノルム空間(二点の最短距離が直線になる)は三角形の辺の比を用いて空間の特徴を表せると判明しているが、一般的な距離空間(二点の最短距離が曲線になる)ではそれが困難である。しかし距離空間が凸性(丸みを帯びた形)を有していれば、三角形を用いて幾何学的な特徴を見出せると予想される。したがって、凸性を有した距離空間の三角形の性質を調べることで、空間の幾何学的特徴を新たに示す。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、線形空間の一般化である完備な Busemann 空間における一様凸性の特徴付けを得ることである。これに対し、以下三つの命題を証明することができた: (1)Banach 空間における一様凸性に関する係数 modulus of convexity が持つ性質が完備な Busemann 空間上へ一般化できること。(2)完備な Busemann 空間における一様凸性と同値な性質として三点の距離による「2乗平均」を含む不等式が存在すること。(3)完備かつ測地線拡張特性を有する Busemann 空間における弱一様凸性と同値な性質として三点の距離による「p乗平均」を含む不等式が存在すること。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
1930年代から発展してきた Banach 空間の幾何学は、関数解析学の小分野の一つであり、他分野でも応用されている有用な理論体系である。また近年、最適化問題の計算などで非線形な距離を持つ距離空間が扱われるようになり、その幾何学的性質が重要視されている。しかしながら、非線形な距離を持つ距離空間の幾何学的性質を数値で表すという試みは、本研究以前には例がなかった。 本研究成果は空間の性質の新しい分類法を与え、将来的には他分野への応用に繋がるなどの展望がある。本研究の位置付けは、既存の「Banach 空間の幾何学」をより一般化するものであり、かつ他分野へ応用できる距離空間の基礎的知見を得ることである。
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