研究課題/領域番号 |
20K14335
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分12010:基礎解析学関連
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研究機関 | 九州産業大学 (2021-2023) 第一薬科大学 (2020) |
研究代表者 |
井上 寛 九州産業大学, 経済学部, 講師 (60791027)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 非自己共役ハミルトニアン / 一般化リース系 / ギブス状態 / 非有界作用素 / 双準直交系 / クライン空間 / observable algebra / 冨田・竹崎理論 / 非有界冨田・竹崎理論 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、双準直交系から定義される非自己共役ハミルトニアンから生成される量子力学系の性質を調べることである。 本研究をすすめる上で、非自己共役ハミルトニアンから生成される量子力学系をどのように定義することが自然であるのか、さらに、この量子力学系と通常の自己共役ハミルトニアンから生成される量子力学系との違いを精査し、最も自然で最適な仮定のもとでこの量子力学系の性質を調べる。 また、双準直交系から定義される非自己共役ハミルトニアンを、あるクライン空間上の自己共役作用素として捉え、クライン空間上で量子力学系の性質を調べる。
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研究成果の概要 |
本研究では、非有界作用素を用いた非自己共役ハミルトニアンの構成に関する研究において、一般化リース系の概念とヒルベルト空間の要素列と正規直交基底のテンソル積で定義される閉作用素が重要な役割をすることを明らかにし、非自己共役ハミルトニアンから生成される量子力学系の性質を最も自然で最適な仮定のもとで調べることができた。 また、双準直交系から定義される非自己共役ハミルトニアンを、あるクライン空間上の自己共役作用素として捉え、クライン空間上で量子力学系の性質を調べることにより、より深い関連性を調べることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、様々な量子力学に関わる物理モデル(例えば、一般化された調和振動子、スワンソンモデル)や、信号解析・画像解析で用いられるフレームの理論は、双準直交系から定義された非自己共役ハミルトニアンから構成されている。このことから、多くの研究者が数学的な立場、物理への応用からこの研究を盛んに行っている。しかし、これらの研究は、有界作用素に基づいた研究である。本研究では、これらの理論を非有界作用素に拡張することにより、非有界作用素から構成される非自己共役ハミルトニアンと量子力学系の関係性は明らかにした。以上より、数学・量子力学の両分野にも理論・応用の面から意義がある成果である。
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