研究課題/領域番号 |
20K14339
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分12020:数理解析学関連
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
加藤 睦也 群馬大学, 大学院理工学府, 助教 (40847026)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 多重線形擬微分作用素 / 擬微分作用素 / フーリエ積分作用素 / Wiener アマルガム空間 / 短時間フーリエ変換 / 局所ハーディ空間 / 局所bmo空間 / 双線形擬微分作用素 / ヘルマンダークラス / フーリエマルチプライヤー / アマルガム空間 / ウィーナー・アマルガム空間 / 多重線形作用素 |
研究開始時の研究の概要 |
擬微分作用素とは微分作用素の一般化であり,多重線形擬微分作用素とはそれを関数同士の掛け算に対する作用素へと拡張したものである.本研究では,その有界性を考察する.特に,作用素の有界性を保証するためのシンボルが満たすべき条件に着目し,既存の結果の改良,および,精密化を目指す.シンボルに課される条件としては遠点での減衰条件が代表的であるが,その改良を行い,同時に,シンボルの可微分性に関する条件も弱めることで精密化を行いたいと考えている.
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研究実績の概要 |
2022年度は下記のような結果は得られたものの,ともに満足のいくところまで到達できなかったため論文としてはまとめていない. 1.Boulkhemairは,線形の擬微分作用素のL2空間上での有界性を示す際,MiyachiやSugimotoなどで用いられたベゾフ空間型のシンボルクラスよりもさらに広いクラスを導入した.昨年度の多重線形擬微分作用素におけるシンボルの滑らかさに関する成果では,そのシンボルクラスを土台としていたため,逆輸入的ではあるものの,その際に用いたWienerアマルガム空間を応用する手法を使って,Boulkhemairの結果を局所ハーディ空間hp上 (0<p≦∞) での有界性へと拡張しようと試みた.しかし,0<p≦2の場合には満足のいく結果が得られたものの,2<p≦∞の場合にはシンボルの滑らかさにε-lossが生まれてしまい,最適なところまで届かなかった. 2.HormanderやDos Santos Ferreira-Staubachなどの結果によって,S_{ρ,ρ}クラスの線形のフーリエ積分作用素がL2空間上で有界となることはよく知られている.ただし,0≦ρ<1を満たす指数である.ごく最近,Castro-Israelsson-Staubachによって,この結果はLp-有界性 (1<p<∞) へと拡張されている.申請者は,この結果をρ=0,すなわち,S_{0,0}クラスの場合にはhp-有界性 (0<p≦∞) へとさらに拡張することはできた.しかし,0<ρ<1の場合のS_{ρ,ρ}クラスに対してはまだ拡張できていない.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前年度の終わりまでに,本課題の研究対象としているS_{0,0}型の多重線形擬微分作用素については,満足のいくところまで成果を得られていた.そのため,本年度の初め頃から,これまでの研究の続きとして,HormanderやSeeger-Sogge-Steinなどの結果に代表されるフーリエ積分作用素の有界性について興味を持ち,いくらかの論文を読み始めた.しかし,それらが想像以上に難しいこと,この作用素に関する知識が足りないこと,さらには読むべき(であろう)論文も多いことなどから,なかなか研究は進展していない.そのため,現在の進捗状況はやや遅れているように思う.
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今後の研究の推進方策 |
今年度に引き続き,線形および多重線形のフーリエ積分作用素に関する論文を読み進め,今後の研究への足がかりを見つける.そして,些細なことであっても進展することを目指す.
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