研究課題/領域番号 |
20K14343
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分12020:数理解析学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高棹 圭介 京都大学, 理学研究科, 准教授 (50734472)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 平均曲率流方程式 / 幾何学的測度論 / フェイズフィールド法 / 変分問題 / 弱解 / バリフォールド / 平均曲率流 / 特異極限問題 / 障害物問題 |
研究開始時の研究の概要 |
平均曲率流方程式等の曲面の運動方程式を解析する。平均曲率流方程式の弱解の構成方法として、フェイズフィールド法、即ちAllen-Cahn方程式の解の特異極限を用いて弱解を構成する方法がよく知られている。本研究では、二相流体の方程式、細胞膜の運動方程式、金属粒界の方程式等に関して、フェイズフィールド法を用いて弱解の時間大域存在及びその正則性について解明することを目的とする。
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研究成果の概要 |
平均曲率流方程式等の曲面の発展方程式の数学解析を行い、以下の結果を得た。平均曲率流方程式の障害物問題に対し、障害物の境界がある程度滑らかであるときに、Brakke flowと呼ばれる弱解の時間大域存在を示した。弱解の構成には、外力項付きAllen-Cahn方程式を用いた。体積保存平均曲率流方程式に関して、任意の空間次元における弱解の時間大域存在を示した。弱解の構成には新しいフェイズフィールドモデルを考案し用いた。また、Epshteyn-Liu-Mizunoによって提唱された金属結晶の焼きなましにおける結晶粒界の運動方程式の古典解の時間局所存在等の性質を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
平均曲率流方程式等の曲線、曲面の発展方程式の解の近似方法の1つとして知られるフェイズフィールド法は、体積保存条件や外力項を加えることが容易であり、数値実験の分野で良く用いられている。しかし、フェイズフィールドモデルの特異極限が元の発展方程式に収束するか?という問題については、平均曲率流方程式の障害物問題や、任意の空間次元における体積保存平均曲率流方程式については未解決であった。本研究ではこれらの収束に関して数学的な正当性を与えた。Epshteyn-Liu-Mizunoの方程式については、金属粒界でよく見られる、トリプルジャンクションの形状を持つ解の時間局所存在を示すことが出来た。
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