研究課題/領域番号 |
20K14347
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分12020:数理解析学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022-2023) 大阪市立大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
阿部 健 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 准教授 (80748327)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | オイラー方程式 / 渦輪 / 軌道安定性 / ベルトラミ場 / MHD方程式 / テイラー緩和 / フォースフリー場 / 斉次解 / 磁場 / 緩和理論 / テーラー緩和 / 進行波 / 軸対称解 / 進行波解 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は非圧縮理想流体の運動方程式であるオイラー方程式の数学解析を行うものである. 3次元オイラー方程式は近年凸積分の手法により乱流についての予想が解決される重要な進展があったが, 発展方程式的手法による解析は進んでいない. 研究代表者阿部は近年, 軸対称解に焦点を当てこの問題に取り組み, 渦輪と呼ばれるオイラー方程式の進行波解が重要な役割を果たすことを発見した. 渦輪は非線形波動方程式の観点からはソリトンのようにも思えるが, その性質は未知である. 本研究では進行波解の基本的な性質である軌道安定性に焦点を当て, 厳密解であるラムの渦対・ヒルの球形渦輪を含む渦対・渦輪に対して渦法を用いて軌道安定性定理を確立する.
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研究成果の概要 |
流体力学の基礎方程式であるオイラー方程式の初期値問題の適切性の研究において, 渦輪は重要な特殊解である. 本研究ではラムの双極渦, ヒルの球形渦輪などの厳密解を含む解のクラスで渦対, 渦輪のオイラー方程式における軌道安定性定理を確立した. また磁場の方程式の視点を取り入れて3次元定常オイラー方程式の研究を行い, 解の剛性, 存在, 安定性, 自己相似性などについての研究成果を得た. これによりグラド予想, テーラー緩和などのプラズマの問題とオイラー方程式における渦輪の安定性の問題の関係が明らかになった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
3次元オイラー方程式の定常解の安定性は60年代にアーノルドが安定性定理を与えているが, 安定性定理の仮定をみたす定常解の例はこれまでに一つも知られていない. 本研究はエネルギーカシミール法を用いて厳密解を含むクラスで軸対称旋回なし渦輪の安定性定理を確立した. さらにMHD方程式に対してもテイラー緩和に基づく磁場の安定性を示した.3次元オイラー方程式やMHD方程式における解の安定性定理を厳密解を含むクラスで確立できたことは学術的意義が大きい. また核融合炉設計の観点からも磁場の数学的安定性定理が確立できたことは社会的意義が大きい.
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