研究課題/領域番号 |
20K14363
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分12040:応用数学および統計数学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
小田 凌也 広島大学, 先進理工系科学研究科(理), 助教 (10853682)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 変数選択 / 多変量モデル / 高次元 / 高次元漸近理論 / 変数選択法 / 多変量解析 / 一致性 / 多変量線形回帰 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は, 多変量モデルにおいて, 変数の次元数が標本数を超えた場合も含んでいる高次元大標本データに対して良い性質をもつ変数選択規準を構築することである. 特に, 変数の個数が標本数を超えても実行可能な変数増減法の下で, 真の変数を選択する確率が漸近的に1となる性質である一致性をもつ変数選択規準を構築する. 目的を達成するために, まず多変量モデルの1つである多変量線形回帰モデルにおいて, 標本数は無限大だが説明変数だけでなく目的変数も標本数を超えて無限大としてよい漸近理論により一致性を評価する. 次に, 他の多変量モデルにおける変数選択規準も構築していく.
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研究実績の概要 |
本研究の目的は, 多変量モデルにおいて, 変数の次元数が標本数を超えた場合も含んでいる高次元大標本データに対して良い性質をもつ変数選択規準を構築することである. 特に, 変数の個数が標本数を超えてもよい高次元下で, 真の変数を選択する確率が漸近的に1となる性質である一致性をもつ規準を構築する. 目的を達成するために, 多変量モデルの1つである多変量線形回帰モデルにおいて, 標本数 n は無限大だが説明変数の個数または目的変数の個数 p も標本数を超えて無限大としてよい漸近理論により一致性を評価する. 本年度の研究内容は以下の通りである. 本年度も前年度に引き続き多変量線形回帰モデルにおける Kick-One-Out (KOO) 法による変数選択法に着目した. 本年度では, 目的変数の個数が標本数を超えてもよい高次元下を想定し, 目的変数の個数が標本数に比べ圧倒的に速く無限大に発散してもよいだけでなく説明変数の個数も標本数未満だが無限大に発散してもよい漸近理論を用いて一致性をもつ変数選択法を提案した. 上記の研究内容は, 国内学会または学術論文で発表している. また, L_0 罰則を伴うパラメータ推定アルゴリズムの1つである discrete first-order algorithm をグループ構造を伴う変数選択が可能となるよう行列に関する L_2,0 罰則を伴うパラメータ推定アルゴリズムに拡張しそのアルゴリズムの収束理論を調べた. この方法と変数選択規準を組み合わせることで変数の個数が標本数を超えても変数選択可能なアルゴリズムを提案した. 上記の研究内容は, 国内学会または学術論文で発表している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度の成果として目的変数の個数が標本数を超えて無限大としてよい漸近理論の下で, 一致性をもつような変数選択法を提案することができた. この方法は変数増減法ではないが, 変数の個数が標本数を超えてもよい漸近理論の下で一致性をもつ規準を構築するという目的には近づいている. しかし, 説明変数の個数が標本数を超える場合に一致性をもつ変数選択法に関して計画していた推進方策の進度が遅れていることから「やや遅れている」という評価をした.
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今後の研究の推進方策 |
現在までの進歩状況を踏まえて, これまでに得られた研究成果と絡めつつ, 以下のように研究を進めていく. まず, 多変量線形回帰モデルにおいて, 説明変数のスクリーニング法を考察し, 目的変数と説明変数の個数が標本数を超えてもよい漸近理論の下でスクリーニングの性質を調べる. そして, 上記の結果と今年度の結果を利用することで, 標本数は無限大だが説明変数だけでなく目的変数も標本数を超えて無限大としてよい漸近理論により一致性の評価に取り組む.
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