研究課題/領域番号 |
20K14370
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分13010:数理物理および物性基礎関連
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研究機関 | 神戸大学 (2021-2023) 東北大学 (2020) |
研究代表者 |
小谷野 由紀 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 助教 (50849643)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 移流拡散方程式 / フォッカー・プランク方程式 / 移流 / 拡散 / 異常拡散 / フォッカープランク方程式 / ランジュバン方程式 / 流体力学 / 流体 / 音響浮遊法 |
研究開始時の研究の概要 |
二流体を混合する上で、マクロなスケールでは流速場による撹拌が、ミクロなスケールでは熱的な揺動による物質拡散が重要なダイナミクスだと考えられてきたが、近年になって撹拌能力のない流速場が拡散を促進する現象が発見された。ミクロなスケールでは流体の混合において拡散が重要なダイナミクスである。そのため、この現象はミクロなスケールで工業的な技術として確立することが期待されている。これまで、限られた条件の下でのみ、流体場と拡散ダイナミクスの協働により拡散促進現象が起きることが理論的に説明された。そこで本研究では、流速場と物質拡散の協働現象について、系の詳細によらない基礎的かつ本質的な知見を探る。
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研究成果の概要 |
流体の混合において、流れによる攪拌と熱揺動による拡散の2つのダイナミクスが重要である。2つは基本的に異なる時空間スケールを持つので分けて考えることが普通だが、特に小さい空間スケールでは攪拌(移流)と拡散が協働した混合がみられる場合がある。このような協働効果は移流拡散方程式を時間積分することによって明らかにできるが、非自明な効果であるため数値計算に頼る必要がある。本研究では、離散的なフォッカー・プランク方程式を用いることで、拡散の促進、異方的な拡散、流動場だけでは説明できない移流効果など、非自明な移流と拡散の協働現象を解析的に導くことに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
移流と拡散が協働する現象はサブミリメートル以下のスケールで重要だと考えられる。近年、浮遊させた液滴を変形・合体させる技術や、マイクロ流路内での溶液混合など、ミクロなスケールで流体を操作する工業的技術が発展を遂げている。本研究はそれらに基礎的な知見を与えることが期待される。また、細胞内には形状が変形するタンパク質が多数存在するが、そういったアクティブな要素が変形運動を続ける環境下での物質拡散に対しても重要な知見を与える可能性がある。
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