研究課題/領域番号 |
20K14378
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分13010:数理物理および物性基礎関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
三澤 賢明 岡山大学, 自然科学学域, 助教 (00823791)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 分子動力学法 / 第一原理計算 / 機械学習原子間相互作用ポテンシャル / 塑性変形 / 表面・界面構造 / 分子動力学 / 第一原理電子状態計算 / 原子拡散 / ニューラルネットワークポテンシャル / 衝撃圧縮 / 構造変化 / 第一原理 / 機械学習 / 圧力誘起構造変化 / 計算材料科学 / 非平衡過程 |
研究開始時の研究の概要 |
極めて高い汎用性と計算精度とを併せ持つ第一原理分子動力学(FPMD)法に基づく計算機シミュレーションは,材料科学分野における強力な研究手段の1つである.その一方で計算負荷は大きく,シミュレーションで扱える空間・時間的なスケールには限りがある.近年,この問題点に対し,人工ニューラルネットワーク(ANN)に基づく深層学習を用いて経験的ポテンシャルを構築し,FPMD法の精度を保ちつつ計算可能な空間的・時間的スケールを拡張するANNポテンシャル法が登場した.本研究では,これらANNポテンシャル法とFPMD法を駆使した大規模シミュレーションを駆使し,非平衡性の強い過程を対象とした材料物性研究を展開する.
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研究成果の概要 |
物質中の原子1つ1つの運動を計算する「分子動力学法」に基づくシミュレーション研究を実施し,研究代表者が主導して実施した研究課題について次の成果を得た:(1)機械学習を利用した先進的な手法を,衝撃圧縮下における構造材料の変形のシミュレーションに初めて適用することに成功した.(2)地球深部ダイナミクスに深く関連する珪酸塩鉱物における,圧力による特異な構造変化の性質を明らかにした.(3)様々な分野で産業応用されている機能性材料である表面処理炭酸カルシウムの構造を原子レベルで予測した.(4)半導体でありながら金属のような延性を示す硫化銀について,その優れた延性の起源を明らかにした.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
成果(1)により,非平衡性の強い現象に機械学習を用いた手法を適用可能であることが示されたことから,計算機シミュレーションによる材料科学研究の加速が期待される.成果(2)で得られた知見は,今後の地球深部のダイナミクスの研究の深化に寄与するものである.成果(3)は表面処理炭酸カルシウムを用いた様々な工業製品の高品質化に寄与する,将来の高度な研究の実現に繋がるものである.成果(4)はフレキシブルな半導体を用いた次世代エレクトロニクスに向けた高性能半導体材料開発の足がかりとなるものである.
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