研究課題/領域番号 |
20K14380
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分13010:数理物理および物性基礎関連
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
黒澤 裕之 京都工芸繊維大学, 電気電子工学系, 助教 (20708367)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 磁性 / カイラリティ / メタマテリアル / 磁気カイラル効果 / ナノ粒子 / 非相反 / 光マニピュレーション / 光ピンセット |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、磁性とカイラリティを同時に有するメタナノ粒子に注目する。このような系では磁気カイラル効果という偏光無依存かつ方向依存性を持つ特異な光学応答が実現する。まず、メタナノ粒子を双極子と近似し、それに働く電磁気力を理論計算することで、その電磁応答を明らかにする。更に、波長と同程度のサイズの粒子に対する散乱理論であるMie理論を磁性とカイラリティを同時に有する系に拡張した理論の構築を行う。 このような研究を通じて、熱を担う赤外線を一方向だけに逃すような高機能材料開発に向けた基礎理論を構築する。
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研究実績の概要 |
昨年度までに磁気カイラル物質に働く電磁気力の定式化は完了していた.この電磁気力をナノ粒子に適用するためには,粒子を球とみなしたときの半径などの粒子の形状を考慮する必要がある.本年度はこの粒子の形状依存性を電磁気力に組み込むことに取り組んだ. 粒子の形状を考慮する場合には,粒子による散乱場を考慮する必要がある.入射電磁場によって粒子に電気双極子モーメントと磁気モーメントが誘起され,それらの散乱場による補正を加える.粒子が十分小さいと仮定し,Green関数を用いて散乱場を記述した.この散乱場と入射場の和によってナノ粒子が持つ電気双極子モーメントと磁気モーメントを計算した.この際に双極子近似と準静的極限で系が記述できると仮定した. ナノ粒子がもつ双極子分極率を,ナノ粒子の半径と粒子を構成する物質の誘電率,透磁率,カイラル・パラメータで記述した.この際に,磁気光学効果と磁気カイラル効果による補正項を誘電率とカイラル・パラメータにそれぞれ繰り込んだ.最終的に,ナノ粒子の形状依存性を含んだ電磁気力の定式化を行った 非相反電磁気力は,当然ながら磁気カイラル効果の大きさに比例するため,磁気カイラル効果の巨大化にも取り組んだ.巨大な磁気カイラル効果を実現するために,磁気共鳴とカイラル共鳴の2重共鳴による巨大化を試みた.YIGロッドの周囲に誘電体共振器を螺旋状に配置したメタ分子を作製,その非相反性を測定したところ従来の300倍にも達する巨大な磁気カイラル効果の発現に成功した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022度までに論文投稿を完了する予定であったが,2023年度にずれ込んでいしまった.
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今後の研究の推進方策 |
双極子近似下でナノ粒子に働く電磁気力の定式化には成功したので,ナノ粒子がMie共鳴を持つ場合の定式化を行う.
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