研究課題/領域番号 |
20K14384
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分13020:半導体、光物性および原子物理関連
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
黒山 和幸 東京大学, 生産技術研究所, 助教 (20861602)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
|
キーワード | 半導体量子ドット / テラヘルツ / 強結合 / テラヘルツ光共振器 / 量子ポイントコンタクト / 量子ホール効果 / テラヘルツ電磁波 / GaAs横型量子ドット / コヒーレント結合 / テラヘルツ共振器 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、電子数を精密に制御可能なGaAs横型量子ドットに捕捉した電子のテラヘルツ(THz)電磁波応答を解明する。さらに、THz光共振器を導入することで、電子とTHz電磁波とがより強く結合した状態における電子の物性現象の検証を行う。これらの実験により得られる結果は、将来的に固体中の離れたドット中の電子を、THz共振器を介して結合する技術に繋がる。それにより、遠隔な電子に対して非局所な量子相関を実現する基礎学理的な実証実験や、それによって可能になる分散型の量子情報処理技術、オンチップのTHz電磁波による量子光通信技術への技術応用など、様々な分野への恩恵が期待される大変重要な研究である。
|
研究成果の概要 |
量子ドット中に捕捉した電子とオンチップのテラヘルツ(THz)共振器との強結合状態を実現するための研究を行った。二次元電子系を有するGaAs/AlGaAsヘテロ構造基板上に、オンチップTHz光共振器と、その近傍に表面ゲート電極によって形成される量子ドット構造を有する試料を作製した。この試料に対して外部からTHz電磁波を照射し、量子ドットの光電流スペクトルを計測した結果、二次元電子のサイクロトロン共鳴や量子ドットにおける電子励起が、THz光共振器とコヒーレントに相互作用していることを示す反交差信号を観測した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
オンチップのTHz共振器と量子ナノ構造とのコヒーレント結合やそのような結合系の電気伝導を調べる研究はこれまでに報告がなく非常にユニークな系である。光と電子が非常に強く結合したときに現れると予測される様々な新奇現象が、電子輸送の物理にどのような影響をもたらすのかを調べる強力なプラットフォームとなることを期待する。また、応用の面では、オンチップのテラヘルツ共振器を介して、THz電磁波の波長程度の距離を隔てた量子ドット間で遠隔のコヒーレント結合を実現したい。それにより、近年目覚ましい発展を遂げている量子ビットの開発において問題となっている、量子ビットの多重化や集積化の問題を解決に貢献する。
|