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高感度光電流コヒーレント分光法の開発と半導体ナノ粒子の非線形電流制御

研究課題

研究課題/領域番号 20K14385
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分13020:半導体、光物性および原子物理関連
研究機関京都大学

研究代表者

田原 弘量  京都大学, 白眉センター, 特定准教授 (20765276)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2022-03-31
研究課題ステータス 完了 (2021年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
キーワード光物性 / エキシトン / ナノ粒子 / 量子ドット / 光電流 / 光電変換 / コヒーレント制御
研究開始時の研究の概要

半導体ナノ粒子は太陽電池や発光ダイオードなどの光電デバイスへの応用が期待されている材料であり、基礎的な物性挙動の理解が望まれている。本研究では、半導体ナノ粒子のマルチエキシトン状態(複数の電子と正孔を内包する量子状態)と光電流生成過程の解明を目的として、高感度の光電流コヒーレント分光法を開発する。多数のナノ粒子を近接させたナノ粒子薄膜を作製し、マルチエキシトン由来の光電流を計測することで光電変換過程を解明する。さらに、レーザーパルス光の位相制御技術を利用することで、マルチエキシトンを介した非線形電流制御を実現させる。

研究成果の概要

半導体ナノ粒子中の量子状態を光電流検出において精密に計測するために、高感度光電流コヒーレント分光法を開発した。ナノ粒子の表面化学処理によってナノ粒子同士を結合させたナノ粒子結合膜を作製し、ナノ粒子結合膜における光電流コヒーレント分光を行った。エキシトン準位をレーザーパルスによって共鳴励起することで、マルチエキシトンによる高調波コヒーレンスを観測した。結合ナノ粒子と非結合ナノ粒子のコヒーレント信号を比較することで、結合ナノ粒子では信号振幅が大幅に増大していることを発見した。この増大現象は、ナノ粒子同士を結合させることで生まれる量子協力効果によるものであることを明らかにした。

研究成果の学術的意義や社会的意義

半導体ナノ粒子は太陽電池や発光ダイオードなどの光電デバイスへの応用が期待されている材料であり、基礎的な物性挙動の理解が望まれている。本研究では、半導体ナノ粒子のマルチエキシトン状態(複数の電子と正孔を内包する量子状態)と光電流生成過程の解明を目的として、高感度の光電流コヒーレント分光法を開発した。多数のナノ粒子を近接させたナノ粒子薄膜を作製することで、集団のナノ粒子が協力的に信号を強める量子協力効果を発現させることに成功した。この現象はナノ粒子の光電変換過程における信号を増大させるため、新しいメカニズムを明らかにした本研究は光センサーなどの光電デバイスの性能向上につながる重要な成果である。

報告書

(3件)
  • 2021 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (10件)

すべて 2022 2021 2020 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (8件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Collective enhancement of quantum coherence in coupled quantum dot films2021

    • 著者名/発表者名
      H. Tahara, M. Sakamoto, T. Teranishi, and Y. Kanemitsu
    • 雑誌名

      Physical Review B

      巻: 104 号: 24

    • DOI

      10.1103/physrevb.104.l241405

    • NAID

      120007179333

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 光電流量子干渉法を用いた量子ドット結合膜におけるマルチエキシトンコヒーレント応答の観測2022

    • 著者名/発表者名
      田原弘量, 坂本雅典, 寺西利治, 金光義彦
    • 学会等名
      第69回応用物理学会春季学術講演会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] 化学合成量子ドットにおける高調波コヒーレント信号の集団増強効果2022

    • 著者名/発表者名
      田原弘量, 坂本雅典, 寺西利治, 金光義彦
    • 学会等名
      日本物理学会第77回年次大会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] コロイド量子ドット薄膜における光電流コヒーレント分光2021

    • 著者名/発表者名
      田原弘量, 坂本雅典, 寺西利治, 金光義彦
    • 学会等名
      日本物理学会2021年秋季大会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] ナノ構造半導体における光励起状態の位相制御と量子光物性開拓2021

    • 著者名/発表者名
      田原弘量
    • 学会等名
      日本物理学会第76回年次大会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] PbS量子ドット薄膜における高調波ダイポール振動増強の光電流検出2021

    • 著者名/発表者名
      田原弘量, 坂本雅典, 寺西利治, 金光義彦
    • 学会等名
      日本物理学会第76回年次大会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] ハロゲン化鉛ペロブスカイトナノ粒子薄膜における超高速キャリアダイナミクスの光電流計測2021

    • 著者名/発表者名
      媚山悦企, 田原弘量, 猿山雅亮, 佐藤良太, 寺西利治, 金光義彦
    • 学会等名
      日本物理学会第76回年次大会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] ダブルポンプ法によるCsPbI3 ナノ粒子の非対称ホットバイエキシトン形成と光学利得特性2020

    • 著者名/発表者名
      媚山悦企, 田原弘量, 佐藤良太, 猿山雅亮, 寺西利治, 金光義彦
    • 学会等名
      第31回光物性研究会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] 非対称ホットバイエキシトン形成によるCsPbI3ナノ粒子の光学利得の向上2020

    • 著者名/発表者名
      媚山悦企, 田原弘量, 廣理英基, 佐藤良太, 猿山雅亮, 寺西利治, 金光義彦
    • 学会等名
      日本物理学会2020年秋季大会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [備考] 協力し合えば強くなる、半導体量子ドットの集団増強効果の観測に成功

    • URL

      https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research-news/2021-12-21-0

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書

URL: 

公開日: 2020-04-28   更新日: 2023-01-30  

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