研究課題/領域番号 |
20K14386
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分13020:半導体、光物性および原子物理関連
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
飯田 進平 東京都立大学, 理学研究科, 助教 (20806963)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 物理化学 / レーザー分光 / イオントラップ / 遅延電子脱離 / ポアンカレけい光 / 原子分子 / イオン蓄積リング / 輻射冷却 |
研究開始時の研究の概要 |
熱的に励起された分子が発する光はポアンカレけい光と呼ばれ、分子の電子構造を反映することから黒体輻射とは区別されている。 本研究では2原子分子のポアンカレけい光放出による励起スペクトルを測定し、特定の準位間で起こるポアンカレけい光放出の効率や寿命をもとに緩和モデルの妥当性を検証すること、さらに理論グループと連携して、単純な統計熱力学に依らない新たな輻射冷却理論を確立することを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では静電型イオン蓄積リングを用いて、超高真空環境下で分子イオンを長時間蓄積し、レーザー光と合流させることで、孤立環境下で電子脱励起や振動輻射により内部エネルギーが冷却されていく様子を追跡した。C2-では光誘起遅延電子脱離を観測することで、振動回転励起スペクトルを得て、この経時変化を測定することで、電子脱励起による疑似的な振動緩和の観測に成功した。さらに、炭素やケイ素クラスターイオンでは、光誘起遅延電子脱離収量の減衰曲線の傾きと状態密度の詳細つり合い理論と呼ばれるモデル計算を用いて輻射冷却速度を決定し、ペンタセンイオンにおいてはその冷却機構を解明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で得られた振動・回転励起スペクトルからポテンシャルエネルギー曲面を決定することができる。ポテンシャルエネルギー曲面は分子の最安定化構造や化学反応速度などを量子化学計算するうえで、必須のパラメータであり、基礎化学の根幹といえる。 また、本研究で得られた分子イオンの輻射冷却速度を用いて、量子化学反応ネットワーク計算を行うことで、星間空間においてどの分子種がどれくらい存在するかを精度良く計算することが出来る。したがって、本研究成果は物理化学、量子化学、宇宙科学の分野において意義がある。
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