研究課題/領域番号 |
20K14387
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分13020:半導体、光物性および原子物理関連
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
加藤 宏平 大阪市立大学, 南部陽一郎物理学研究所, 特任助教 (60793586)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 冷却原子気体 / フェッシュバッハ共鳴 / 少数多体系 / 分子会合 / 箱型トラップ |
研究開始時の研究の概要 |
原子状態と分子状態の共鳴散乱現象であるフェッシュバッハ共鳴の存在は、冷却原子系の研究に相互作用の自由な制御を与えたと同時に冷却分子の系の研究の道を開いた。共鳴付近に普遍的に存在する3体の束縛状態であるエフィモフ状態は、様々な少数分子の生成に利用できる可能性がある。本研究では強い光閉じ込めポテンシャル中で、この様な少数分子状態のエネルギー構造がどの様に変わるか、安定な少数分子状態を生成できるかを明らかにする。実験には比較的近共鳴な波長の光を用いた2次元箱型トラップを用いる事で、強い閉じ込めポテンシャルと高精度な測定の実現を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究課題は、原子状態と分子状態の共鳴散乱現象であるフェッシュバッハ共鳴近傍に存在する少数分子状態に関する研究である。特に強い閉じ込めポテンシャル中では、新規な分子状態が安定化すると考えられ、その観測と安定化を試みた。実験的には、期間内に閉じ込めポテンシャル形成の為の高強度固体レーザーの開発に道筋をつけた。また、分子状態を形成する為に十分な原子数を得る為の実験系を構築した。理論的には、凝縮体に対する測定の反作用の効果についてシミュレーションし、観測に最適なプローブ光の条件を確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
冷却原子の系の特徴はその制御性の高さにある。対象を原子から分子へと拡張することができれば、分子が持つ豊富な自由度や遠距離相互作用の活用が期待できる。フェッシュバッハ共鳴近傍に普遍的に存在する少数分子状態はその足掛かりとして重要であるが、寿命が短く利用しにくいという問題がある。本研究は強い閉じ込めポテンシャルを使って、安定化を試みるというものだが、技術的には散乱を低次元化するほどの閉じ込めポテンシャルの強度を確保するのが難しい。本研究では高強度固体レーザーの開発を進め、また分子生成に必要な装置の構築に成功した。
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