研究課題/領域番号 |
20K14398
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
井上 悠 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 研究員 (90843342)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | ジョセフソン接合 / トポロジカル絶縁体 / 平板トンネル分光 / トンネル分光 / トポロジカル物質 / マヨラナ粒子 |
研究開始時の研究の概要 |
次世代の情報処理技術として量子計算が注目を集めている。従来の古典ビットの代わりに、量子力学的状態を利用した量子ビットを用いて情報処理を行うことで、計算速度の向上が期待できる。しかし、量子ビットに蓄えられる情報が時間とともに変化してしまうデコヒーレンスという過程が存在し、計算結果の信頼性を低下させる主要因となっていた。本研究では、トポロジカル絶縁体という物質を量子ビットに応用することで、デコヒーレンスが起こりづらい量子ビットを開発する。
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研究成果の概要 |
物質中に形成されるマヨラナ準粒子状態は、エラーの起こりづらい量子計算への応用が期待されている。本研究では、物質中にマヨラナ準粒子状態を実現して、これを検出、操作するためのプラットフォームとしての、トポロジカル絶縁体と超伝導体からなるジョセフソン接合に着目し、素子の作製と、マヨラナ準粒子状態検出の前提となるジョセフソン効果の測定に取り組んだ。さらに、マヨラナ準粒子状態を含む素子中の電子状態を検出するための手法として、平板トンネル分光による電子状態評価にも取り組んだ。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
量子情報処理は次世代の超高速情報処理技術として注目されている。そこで使われる量子ビットのエラーをいかに小さくできるかが、実用化に向けた1つの鍵になる。最近新たな手法として注目されているマヨラナ準粒子状態を用いた量子情報処理は、このエラーを飛躍的に小さくできる可能性を秘めているが、素子の作製法や評価法が先行する別の手法より未熟であった。本課題で実施した研究により、物質中のマヨラナ準粒子状態を利用した、エラーの小さな量子ビットの実現に向けた研究が前進するものと期待している。
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