研究課題/領域番号 |
20K14403
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
野村 肇宏 東京大学, 物性研究所, 助教 (20845987)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 超強磁場 / 超音波 / 酸素 / 非相反 / 量子スピン / 液体酸素 / 磁場誘起相転移 / 強磁場 / 相転移 |
研究開始時の研究の概要 |
超音波測定は構造相転移や秩序パラメタの対称性を議論する上で強力な手法であり、金属・絶縁体を問わず多くの物質群に適用できる魅力的な測定プローブである。しかしながら、100テスラを超えるような超強磁場下では実験的制約が多く、これまで超音波と組み合わせた測定は不可能と考えられてきた。本申請ではCW法(連続励起法)と位相検波法を組み合わせた高速な超音波計測技術を提案し、超磁場領域における格子物性測定に挑戦する。
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研究成果の概要 |
破壊型磁場発生手法である一巻きコイル法と組み合わせて、物質の超音波音速を計測する手法を新たに開発することに成功した。開発した手法を液体酸素、量子スピン系物質、重い電子系物質などに適用することで、超強磁場誘起相転移における物質の弾性定数の変化に関する情報を得ることに成功した。特に、液体酸素については磁場誘起の液体ー液体相転移の前駆現象を示唆する結果を得た。また二次元量子スピン系物質SrCu2(BO3)2では1/2プラトー相における巨大な弾性異常を観測した。開発した計測技術は今後も超強磁場物理を探索する上で強力な手法になることが期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで磁場中物性に関する複数の研究がノーベル賞の対象になっていることからわかるように、強磁場下における物質の性質は多彩かつ複雑であり、未だに固体物理のフロンティアにある。超強磁場下における物性測定には多くの制限があり、これまで格子物性に関する情報はほとんど報告例が無かった。本研究では新たに音速(弾性定数)に関する情報を得る計測手法を開発し、物性測定に応用した。本研究で開発した手法は他の物質群にも適用可能であり、超強磁場下での新たな物性を探索する上で強力な手法となる。
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