研究課題/領域番号 |
20K14416
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 (2022) 東京理科大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
芝田 悟朗 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 物質科学研究センター, 研究職 (20747026)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 磁気異方性 / 強磁性体 / X線磁気円二色性 / 薄膜 / 遷移金属化合物 / 軌道磁気モーメント / 電子軌道 / 磁性体 / X線分光 / 層状物質 / 磁性薄膜 / 軟X線分光 / 電子構造 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、スピントロニクスへの応用が期待されている新奇強磁性物質、特にその薄膜や多層膜を対象に、磁気特性の発現機構を電子状態の観点から理解することを目的とする。X線磁気円二色性(XMCD)を中心とする放射光分光法を用い、これらの物質を構成する各元素の価数やスピン・軌道磁気モーメントなど、物性を理解するうえで重要な情報を明らかにする。特に、近年申請者が開発してきたベクトルマグネットX線二色性実験装置を用い、従来の装置では測定が困難であったXMCDの磁場角度依存性の実験を行う。これにより、従来の分光法では得られなかった電子状態の異方性を明らかにし、磁気異方性の起源の解明につなげる。
|
研究成果の概要 |
本研究では、放射光によるX線磁気円二色性(XMCD)、X線磁気線二色性(XMLD)を用いて、応用上重要な複数の強磁性薄膜や層状磁性体を対象に、それらの磁気異方性の起源を電子状態の観点から微視的に明らかにすることを試みた。垂直磁気異方性を示す複数の磁性体のXMCD実験の結果から、軌道磁気モーメントが凍結せず残存している二次元系において強い垂直磁気異方性が現れることを実験・理論の両面から指摘した。また、磁場方向を自由に変えることのできるベクトルマグネット装置を利用して層状磁性薄膜のXMLD実験を行い、磁気転移に伴って電子軌道の形状が変化する様子を直接観測することに成功した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果は、磁気異方性を決定する要因である、磁性材料中の電子軌道の形状を推定する新しい手法を提供するものであり、手法開発の意味で学術的重要性があると考えられる。また、磁気異方性の強い材料はハードディスク等の記録媒体や高い保磁力を持つ永久磁石としても実社会で用いられており、これらの材料における磁気異方性の制御に関する指針を得ることは応用上の意義もあると考えられる。
|