研究課題/領域番号 |
20K14423
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 (2022) 国立研究開発法人理化学研究所 (2020-2021) |
研究代表者 |
野村 悠祐 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 准教授 (20793756)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 強相関電子系 / 量子相関 / 機械学習 / 人工ニューラルネットワーク / 量子多体系 / 手法開発 / ニューラル・ネットワーク / ボルツマンマシン / 電子格子相互作用 / フラストレート磁性体 / 第一原理計算 / 物質設計 |
研究開始時の研究の概要 |
強相関物質が示す磁性・超伝導などの実用に有用な機能物性を理解し、理論による新たな機能物質の予言につなげるためには、現存する物質のみならず未知の物質の「個性」を定量的に予測するための数値手法の開発が必須である。しかしながら、実在する物質における様々な自由度・複雑な相互作用を精度よく解析するための強相関数値手法が現状貧弱であり、定量的な議論の実現は限られている。本研究においては、機械学習の技術を用いた強力かつ汎用的な強相関数値手法を開発することでその困難を打破し、それを密度汎関数理論に基づく第一原理計算と融合させることによって、強相関物質に対する高精度な定量計算を実現し、機能物性予測の礎を築く。
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研究成果の概要 |
本研究は、機械学習などの情報科学的手法と第一原理計算・量子多体論などの計算科学的手法を組み合わせた分野融合型のアプローチに基づいた強相関電子系に対する新たな数値手法を確立することを目指した。具体的には、1. 数値手法の開発、2. 開発した手法の精度検証、3. 強相関電子系への適用、を主眼として研究を行った。 1と2の成果として、人工ニューラルネットワーク手法と純粋化という物理の概念を組み合わせることで、有限温度における量子揺らぎと熱揺らぎを取り込む深層学習モデルの確立に成功した。また、3の成果として、強磁性を発現する強相関金属の電子状態の研究を行い、非自明な量子相関を示す異常金属相を発見した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
強相関電子系は、様々な機能物性が発現するが、それらの現象は量子性と多体性の兼ね合いにより発現しているために、その数値的解析は物理の挑戦的課題として知られている。本研究では、その挑戦的課題に対し、人工ニューラルネットワーク・機械学習を用いるという新機軸を導入し、その手法をさらに発展させることで、非自明な量子相関を計算するスキームを大きく進展させた。非自明な量子相関を正確かつ定量的に計算できるようになると、強相関電子系の物性予測に繋がる。今回の研究はそのような理論主導の物質設計につながる礎を気付いたという点で意義深いものである。
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