研究課題/領域番号 |
20K14448
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分14020:核融合学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 |
研究代表者 |
瀬戸 春樹 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 六ヶ所フュージョンエネルギー研究所 核融合炉システム研究開発部, 主任研究員 (90733692)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 境界層プラズマ / プラズマ乱流 / 周辺局在化モード / 簡約化Braginskiiモデル / 核融合プラズマ / 統合コード / 非線形計算 / 数値シミュレーション / ダイバータ配位 / 周辺乱流 / ダイバータ / 熱負荷 |
研究開始時の研究の概要 |
原型炉に代表される将来の磁気閉じ込め核融合装置では、プラズマ対向材の許容熱負荷と両立する運転シナリオの構築には周辺領域における熱輸送機構の理解が重要となる。本研究ではイオンの熱伝導によるダイバータ上の定常熱負荷が飽和するまでの長時間に渡る乱流計算を現実的な計算コストで行うためにマルチフェイズ法を用いた2.5次元統合輸送コードを開発する。統合輸送コードによる数値計算により、既存装置の実験データベースに基づいたダイバータ上の定常熱流束幅のスケール則が原型炉のパラメータ領域に外挿可能かを明らかにする。
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研究実績の概要 |
境界層プラズマにおける熱放出過程に関する理論シミュレーション研究として、圧力勾配駆動不安定性に駆動される周辺局在化モード(ELM)におけるELMトリガー機構に関する研究を取りまとめ原著論文の出版を行なった。本成果は、1) 短波長の乱流・不安定性の非線形飽和から孤立した磁気面である磁気島を作る空間構造を持つ長波長の不安定性が非線形的に励起される、2) 長波長モード(磁気島)と乱流の相互作用が熱フラックスの空間構造を決定する、3) ある有理磁気面上に磁気島の重畳が発生してプラズマを閉じ込める磁力線構造のカオス化が起こり乱流が磁気面全体に伝播してELMが駆動される、という過程を示したことに意義がある。現在、実験解析による同ELMトリガー機構の検証に向けた準備を進めている。 ダイバータ熱負荷の数値計算に必要となるSOL・ダイバータ物理を導入した簡約化Braginskiiモデルに基づく乱流コード及び輸送コード開発に関しては、中国科学院プラズマ物理研究所(ASIPP)(日中協力事業)及び米国ローレンスリバモア国立研究所(LLNL)(JIFT事業)との共同研究として実施している。令和5年8月に研究代表者がLLNLを訪問、令和5年11月に米国LLNLの共同研究者が量研六ヶ所研を訪問して、ダイバータ熱流束シミュレーションの計算領域を全円環トーラス領域へと拡張して乱流、長波長MHD、及び帯状流の相互作用を導入するための機能統合に必要なプログラムの改修とコード間の接続方法について議論を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ELMトリガー機構に関する数値シミュレーション研究を取りまとめた投稿論文の準備に想定以上の時間を要したため。また、令和5年度8月のLLNL訪問中に研究代表者がCOVID19に感染し隔離措置が必要となったため計画していた打ち合わせが一部実施できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
ASIPPとの日中協力事業とLLNLとのJIFT事業を令和6年度も延長し、簡約化Braginskii乱流モデルによるダイバータ熱負荷コードの整備と数値シミュレーションを行う。EAST装置のHモード放電における周辺乱流とITERの複数シナリオのELMを対象に全円環トーラスの非線形シミュレーションを行い、乱流、長波長MHD、帯状流の相互作用がダイバータ熱負荷に与える影響を検証する。
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