研究課題/領域番号 |
20K14455
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分14030:プラズマ応用科学関連
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研究機関 | 成蹊大学 |
研究代表者 |
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 機能性酸化物薄膜 / 二酸化バナジウム(VO2) / 大電力パルススパッタ法 / スマートウインドウ / 二酸化バナジウム (VO2) / 極薄機能性酸化物薄膜 / 酸化亜鉛 / 大電力パルススパッタ / スマートウインド / 透過率の改善 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の対象である二酸化バナジウム(VO2)薄膜は温度変化による可逆的な相転移を示す材料であり、室温では絶縁体的で赤外光を透過するが、68℃付近では金属的となり赤外光を反射する特性を持つ。しかし、光学応用へ向けて透過率の改善が大きな課題となっている。VO2の透過率の向上は膜厚を減少させることによってできることが期待されているがVO2の絶縁体-金属転移は構造変化に起因するため極薄化は難しい課題である。本研究課題では、高い粒子エネルギーを特長とするHiPIMS法を導入し、極薄化のポイントとなる化学量論比初期成長を達成し、ZnO/Glass基板上へ急峻な相転移を示す極薄VO2薄膜の堆積に挑む。
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研究成果の概要 |
本研究では、大電力パルススパッタ法(HiPIMS法)を用いて低温で温度相転移を示す極薄の二酸化バナジウム(VO2)をZnO/Glass基板上に堆積させることを試みた。まず、直流マグネトロンスパッタ法(DC法)とHiPIMS法を用いて、ガラス基板上にZnO薄膜を堆積させた結果、HiPIMS法ではDC法よりも低温での結晶成長が確認できた。また、同じ製膜条件の下では、HiPIMS法の方がDC法よりも成膜速度が高くなるという知見を得た。その後、HiPIMS法とDC法を用いてVO2薄膜の堆積を試みたが、従来用いられてきたような、酸素流量を一定とするプロセスでは、VO2の成長は難しいことが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、DC法とHiPIMS法を用いてVO2薄膜の下地基板であるZnO薄膜の堆積を行い、同一の製膜条件において、HiPIMS法ではDC法よりも成膜速度が高くなる知見を得た。一般にHiPIMS法はDC法より成膜速度が遅いとされているが、反応性プロセスではこの関係が逆転したので今後、その理由を明確にできれば学術・産業的に大きな貢献を与えると考える。また、本研究期間にHiPIMS法を用いてVO2薄膜の成長ができなかったことは遺憾だが、従来用いられてきた、酸素流量を一定とするプロセスでは難しいことが示唆され、今後新たな流量制御法を検討することで、VO2薄膜の成長ができることを期待している。
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