研究課題/領域番号 |
20K14459
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分15010:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する理論
|
研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
梁 正樹 埼玉大学, 理工学研究科, 非常勤講師 (50815941)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
|
キーワード | ニュートリノ振動 / 世代の謎 / CPの破れ / MNS行列 / シーソー機構 / 世代構造 / フレーバー物理 / フレーバー対称性 / CP対称性の破れ |
研究開始時の研究の概要 |
ニュートリノ振動とそのCPの破れを近似的に説明する模型としてμ-τ鏡映対称性がある。これを素朴にクォークセクターに適用すると、CPの破れがup-type quarkとdown-type quarkで相殺してゼロとなり観測と合わない。よって、このμ-τ鏡映対称性を一般化して構造や性質を調査し、統一的な記述をもつ模型を構築する。 そこからクォーク・レプトンそれぞれの混合行列を求め、実際の観測との比較から模型の制限を行う。また、関連課題として、標準模型を拡張したLμ-Lτ模型において、宇宙ニュートリノ探索実験の1つであるIceCube実験の観測データを説明するような領域での模型の解析を行う。
|
研究成果の概要 |
本研究では、湯川相互作用(ヒッグス粒子と通常粒子の間に働き、質量を生み出す力)における統一的なCP対称性(粒子反粒子の間の対称性)の破れをもつ世代構造を探索した。結果、diagonal reflection symmetriesという標準模型における新しいCP対称性を発見した。
これはCPの破れを最も軽い第1世代のみに限定するもので、four-zero textureという世代構造と組み合わせることで現在観測されているクォーク・レプトンの質量と混合行列を説明し、現在観測されつつあるニュートリノ振動におけるCPの破れを予言できる。この一般化されたCP対称性のさまざまな現象論的展開を行なった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヒッグス粒子が発見されたとはいえ、その相互作用を決定する原理や法則は未だ謎のまま残されている。『ヒッグスとは何か?』という問いになんらかの形で答えることは、この時代における素粒子理論の主要課題の一つである。ここで発見された新しいCP対称性はヒッグスが第1世代のみを特別扱いすることを示唆し、この性質の解明や新たな展開をもたらすものと考える。
|