研究課題/領域番号 |
20K14485
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分15020:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する実験
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
川出 健太郎 信州大学, 学術研究院理学系, 助教 (90749243)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 標準模型 / 荷電非対称度 / トップクォーク / bタグ / 重いヒッグス探索 / 標準理論の解明 / 新物理探索 / LHC / 精密測定 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、テラスケールでの発見が期待されている標準理論を越える物理現象「新物理」を、LHC-ATLAS実験におけるトップクォークの精密測定による発見を目指す研究計画である。これまでの研究で課題となっている系統誤差の削減を最尤法フィットなどの応用により達成可能な解析手法を開発する。手法を多次元微分断面積の測定に応用しトップクォークの性質としてスピン相関、質量などの高精度測定を実現し、標準模型からの僅かな逸脱を探すことで新物理の発見および標準理論のより詳細な理解を目的とする。
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研究実績の概要 |
本研究計画では、LHC-ATLAS実験で2015~2018年にかけて取得した重心系エネルギー13 TeV陽子衝突のデータを用いたトップクォークの物理解析を行う。 令和4年度は、トップクォーク対荷電非対称度測定解析を2つの終状態に着目して行い完了させた。自身は、ダイレプトン終状態を用いた解析を担当し、主にComenius大(スロバキア)からなるグループはシングルレプトン終状態を担当した。両解析グループが得た結果をFully Bayesian Unfolding法を用いて結合し、系統誤差の劇的な低減を実現した。総荷電非対称度および微分荷電非対称度の測定を行い、最も感度の高い測定では4.7σの有意差で荷電非対称を確認することができた。また、微分荷電非対称度を高次の理論計算と比較し、よい一致を確認した。これらの結果を論文にまとめ、JHEP誌に論文投稿し、2023年3月に受理された。 令和4年度より、本研究に関連してb-jet同定手法の開発を開始した。トップクォーク事象の選別効率が崩壊生成物であるb-jetの同定(bタグと呼ぶ)に大きく依存しており、この改善がトップクォーク研究の精密化には必要であるからである。ParticleNetと呼ばれる、比較的新しい深層学習アルゴリズムを応用し、既存のbタグ手法と比べてよい性能を示すことを明らかにした。 昨年度までに本研究比で導入したGPUなどの計算機資源を有効活用することで研究を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和2年、3年度よりはCovid-19の影響は薄まったが、本研究目的でのCERN渡航ができず、研究の一部が次年度以降に持ち越しとなった。しかし、研究計画の最大の目標であった荷電非対称度測定の解析はリモート会議などを活用して実施し十分な感度を実現し、JHEP誌に受理された。
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今後の研究の推進方策 |
発展となる研究としてbタグの研究にも着手し、現時点で悪くない性能を明らかにした。次年度以降ATLAS実験内部でレビューを通じて、新しい手法として提案をしていく予定である。 また、昨年度まで実施できていないトップクォークの質量測定も実施していく。
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