研究課題/領域番号 |
20K14486
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分15020:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する実験
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研究機関 | 京都大学 (2021-2022) 東京大学 (2020) |
研究代表者 |
安達 俊介 京都大学, 白眉センター, 特定助教 (80835273)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 暗黒光子 / ダークマター / ミリ波 / 新粒子探索 / ダークフォトン / 極低温 / 低温検出器 |
研究開始時の研究の概要 |
ダークマターの候補である暗黒光子と呼ばれる粒子をミリ波の光(20GHz~100GHzの光)を用いて探索する。暗黒光子は金属板の中で自由電子の作る電磁場と非常に弱く反応して実光子を放出すると考えられている。暗黒光子の質量はこの放出される実光子の周波数と一対一対応する。暗黒光子の質量はある程度軽い以上のことはわかっていおらず、ミリ波領域に対応する質量の暗黒光子はまだまだ探索されていない。ミリ波の光検出器の低温化と検出器の応答性の較正の自動化によって、感度よく&効率よく暗黒光子の放出する光子を探索し、前人未到の質量領域(10e-4~10e-3eV)において世界最高感度で暗黒光子を探索する。
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研究成果の概要 |
ダークマターは宇宙の大部分を構成しているが、その質量の大きさもわかっていない。本研究ではダークマターの正体解明のために、ミリ波分光器を用いた手法で「暗黒光子」と呼ばれる超軽量なダークマターを探索した。暗黒光子は微弱なミリ波に転換すると予言され、その周波数はダークマター1個の質量に1対1対応する。よって、広い周波数での探索が必要となる。本研究では、まず周波数が18ー26.5GHzのミリ波を測定可能な分光器を開発して暗黒光子の探索をおこなった。暗黒光子の検出には至らなかったが、 従来の宇宙観測による制限を超える感度で探索ができた。最終年度には10ー18GHzにも探索範囲を広げることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
暗黒光子をミリ波帯域で広く探索した実験は今までになく、ミリ波分光器を用いた暗黒光子探索の手法の確立が本研究によっておこなえたといえる。また、暗黒光子の発見には至らなかったが、今回探索した10ー26.5 GHzに対応する質量領域(0.04ー0.11ミリ電子ボルト)では暗黒光子が存在している可能性が低いという知見が得られた。今後、本研究で確立した手法をもとに、より広い周波数帯域、すなわち質量領域での暗黒光子ダークマターを探索していきたい。
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