研究課題/領域番号 |
20K14492
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分15020:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する実験
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
西畑 洸希 九州大学, 理学研究院, 助教 (00782004)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 不安定原子核 |
研究開始時の研究の概要 |
中性子数と陽子数のバランスが大きく崩れた不安定原子核では、安定核付近の原子核と比べてどのように構造が変化しているか、ということは原子核物理学における重要課題の一つである。本研究では、スピンが揃った原子核のベータ崩壊を用いた独自の核分光学的手法により、長年の懸案となっている中性子数20付近の中性子過剰なAl原子核の構造を明らかにすることを目的とする。特に現在データが限られている31Al、33Alの励起状態について詳細なデータを取得し、中性子過剰な原子核構造について新たな知見を得ることを目指す。
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研究成果の概要 |
中性子魔法数20付近の中性子過剰な原子核は、基底状態で変形が予測されるなど魔法数が破れている構造が実験的に示唆され、その出現機構の解明に向けさまざまな実験的研究が行われている。本研究では、スピン偏極したMg-31原子核を用いて、そのベータ崩壊によって娘核であるAl-31について実験を実施した。得られたデータについて、ベータ線の非対称度によりAl-31について7つの励起状態のスピンを含めた詳細な準位構造を初めて明らかにした。得られた準位構造について大規模核模型計算と比較し、Al-31の励起状態において球形や軸対称変形していると考えられる状態などさまざまな構造が共存していることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
中性子過剰な魔法数20付近の原子核はその特異な構造が実験的に示唆され、その構造を解き明かすべく1990年代からさまざまな実験が実施されてきた。一方で、さまざまな研究にもかかわらずデータが存在するのは基底状態付近に限られ、特にスピンなどの情報は得られていないのが当時の現状であった。本研究では、Al-31の励起状態のスピンを含めた詳細な励起構造を明らかとし、この原子核領域における精密核分光研究における第一歩となったと考えられる。また、得られた中性子過剰核における知見は、宇宙の元素合成の解明にもつながると期待される。
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