研究課題/領域番号 |
20K14506
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分15020:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する実験
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研究機関 | 東京大学 (2021-2022) 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 (2020) |
研究代表者 |
長谷部 孝 東京大学, カブリ数物連携宇宙研究機構, 特任研究員 (30794169)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 宇宙物理学 / 宇宙マイクロ波背景放射 / フォトリソグラフィ / ドライエッチング / 反射防止 / 反射防止コーティング / シリコン / 宇宙物理 / マイクロ波光学 / 反社防止コーティング / インフレーション / 反射防止加工 |
研究開始時の研究の概要 |
宇宙マイクロ波背景放射(CMB)の偏光観測によって、インフレーション仮説の検証が可能である。インフレーションモデルの精密検証には、衛星による CMB 偏光の全天観測が必須である。衛星観測における感度向上のためには、望遠鏡の広帯域化が最も有効な手法である。望遠鏡の観測帯域は、望遠鏡内の光学素子の帯域によって決まる。本研究では、ドライエッチング加工を用いて、シリコン表面に高アスペクト比の微細多段構造を形成することによって、これまでにない広帯域・高周波の AR 構造を有した光学素子を開発する。本研究成果によって、次世代 CMB 偏光観測衛星による主要インフレーションモデルの徹底検証が可能となる。
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研究成果の概要 |
次世代CMB偏光観測衛星の高感度化を目的とし、望遠鏡に用いるシリコン光学素子の広帯域化・高周波化に必要となる反射防止加工技術の開発を行った。異方性ドライエッチングを用いて35 mm角のシリコンチップ表面に3段の微細周期構造を加工した。2枚のチップの片面にそれぞれ加工を行い、未加工面同士をイオンビーム照射による表面活性化によって接合した。低温透過率測定の結果、200 - 450 GHzにおいて平均透過率98 %を達成した。透過率実測値は電磁界シミュレーション結果ともよく一致した。 本技術はCMBをはじめとしたサブミリ波観測用光学素子の広帯域化・高周波化のためのブレイクスルーになると期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本成果によって、CMB偏光観測に用いる光学素子の光学性能は格段に向上する。その結果、インフレーションモデルのより詳細な検証が可能となる。 また、本成果によって実証された反射防止加工技術はCMB観測だけでなくあらゆるサブミリ波用光学デバイスに応用可能である。平面への加工だけでなく曲面への加工が可能であることも部分的に実証済みであるため、多様な分野への応用が期待される。
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