研究課題/領域番号 |
20K14510
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分16010:天文学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
堀田 英之 千葉大学, 大学院理学研究院, 准教授 (10767271)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 太陽 / ダイナモ / 差動回転 / 磁場 / 熱対流 / 乱流 / 太陽ダイナモ |
研究開始時の研究の概要 |
太陽の熱対流について、最近明らかになっている観測と理論モデル・数値シミュレーションの差異の原因解明への貢献を目指す。この問題は「熱対流の難問(convective conumdrum)」と呼ばれ、太陽物理学の最も重要な問題の一つとなっている。本研究では、富岳を利用した大規模数値シミュレーションによって、問題解決への貢献を目指す。超高解像度の数値計算を行うことによって、太陽内部の磁場・回転・成層の効果をできるだけ精密に取り入れ観測と理論の不整合の原因を探る。
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研究実績の概要 |
本研究では、「熱対流の難問」を解くべく富岳を用いた大規模な数値シミュレーションを実施した。熱対流の難問の一つは、高解像度のシミュレーションを実行すると太陽とは違い、極が赤道よりも速く自転してしまうことであった。熱対流の難問を解く方法は、研究開始当初は分からなかったために、いくつかの手法を提案し、一つ一つ実施していく予定であったが、最初に実行した手法で解決できたために最終年度を待たずして本研究課題は廃止とした。 熱対流の難問を解く鍵は、磁場であった。これまでは、太陽内部で磁場が弱いと考えられていたために磁場による角運動量輸送が無視されてきたが、富岳を用いた超大規模計算では、磁場エネルギーが運動エネルギーを上回る状況が実現できた。その結果、磁場による角運動量輸送が支配的となり、「熱対流の難問」を解決することができた。これまでは、自転の時間スケールを熱対流の時間スケールで割ったロスビー数という無次元量が、恒星差動回転に重要だと考えられていたが、本研究により、太陽程度のパラメタであればそれほどエッセンシャルなパラメタでないことが示された。2021年度までに富岳を用いた数値シミュレーションを実施し、2022年度にはその解析を実施した。それぞれ論文を出版している(Hotta & Kusano, 2021, Nature Astronomy; Hotta et al., 2022, ApJ)。また2022年度には、表面勾配層を実現する計算も達成しており、本研究課題て発見した物理機構の確かさを補強している。
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