研究課題/領域番号 |
20K14517
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分16010:天文学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
三木 洋平 東京大学, 情報基盤センター, 助教 (70734375)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 重力多体シミュレーション / 銀河進化 / 銀河衝突 / 銀河考古学 / GPUを用いた演算加速 / 銀河と中心ブラックホールの共進化 / 衛星銀河 / 巨大ブラックホールと銀河の共進化 / 衛星銀河問題 |
研究開始時の研究の概要 |
冷たい暗黒物質に基づく標準的な構造形成モデルは,宇宙の大規模構造の統計的性質を非常に高い精度で説明できるため広く受け入れられている.しかし,天の川銀河サイズの銀河周辺で観測されている衛星銀河の数は数十程度であるのに対し,標準理論が予言するサブ構造の数は数百程度であるという深刻な不一致があり,衛星銀河問題として知られている.本研究では,暗黒物質だけで構成された暗黒衛星銀河が大量に存在するという仮説によって衛星銀河問題を解決できるか検証すべく,恒星ストリーム中に化石情報として残っている暗黒衛星銀河との重力相互作用の痕跡に注目し,衝突の痕跡と暗黒衛星銀河の物理量を紐づける理論テンプレートを構築する.
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研究成果の概要 |
銀河衝突シミュレーションの高速化のために,重力多体シミュレーション用のプログラムを最適化し,NVIDIA A100上ではNVIDIA V100の1.2-1.6倍,NVIDIA H100 PCIe上ではNVIDIA A100の1.3-1.4倍程度の高速化を達成した.また,銀河衝突シミュレーションの実行中に,GPU上で行う重力多体計算とCPU上で行う解析処理を同時に行うことで,処理の効率化にも成功した. 銀河衝突シミュレーションを通じて,小さな銀河が大きな銀河に衝突した際に,大きな銀河の中心ブラックホール周辺の物質を剥ぎ取ってしまうことでブラックホール活動が停止する場合があることを示した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
最新世代のGPUを対象とした性能最適化によって理論ピーク性能比以上の性能向上を達成し,また限られた計算機資源のより効率的な利用にも寄与した. 銀河衝突は銀河中心ブラックホール活動を活性化させるのみだと考えられていたが,銀河の衝突軌道によっては逆に不活性化させる場合もあることを示し,ブラックホールと銀河がお互いに影響を及ぼし合いながら進化していく過程を理解する上で重要な知見をもたらした.
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