研究課題/領域番号 |
20K14521
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分16010:天文学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
磯貝 桂介 京都大学, 理学研究科, 特定助教 (80853465)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 激変星 / 矮新星 / 降着円盤 / 再増光 / 多色測光観測 / 分光観測 / 可視光観測 / 現代統計 / ドップラートモグラフィ / WZ Sge型矮新星 / X線連星 / 国際協力 |
研究開始時の研究の概要 |
宇宙の様々な場面に登場する降着円盤の研究は、天文学における究極のテーマのひとつである。しかし、最も単純な構造を持つ連星系、激変星であっても、全ての降着円盤現象を説明できる統一モデルは確立されていない。そこで、本研究では激変星で観測される未解明の変光メカニズムの解明を目指す。 2019年、国内の大学望遠鏡ネットワークに東アジア最大の3.8m望遠鏡が加わり、従来の望遠鏡の口径では実現不可能であった突発現象の可視・赤外線同時測光・分光観測が可能となった。更に、疎性モデリングなどの現代統計を取り入れた新たな解析手法で確立することで、未解明の変光メカニズムの解明が可能となる。
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研究実績の概要 |
本研究が目的とする、WZ Sge型矮新星のアウトバースト初期に見られる、早期スーパーハンプの可視・赤外線同時測光・連続分光観測にはじめて成功した。一部のデータは悪天候や観測体制の不備が原因で想定通りのS/Nのデータは得られなかったものの、最低限の議論が出来るだけのデータを得ることができた。ただし、分光・測光データを同時に解けるようなプログラムの作成は出来ていないため、その作業は来年度進めていくことになる。 本研究は円盤由来の輝線から温度情報を抜き出そうというのが目的のひとつである。しかし、研究を進める中で、輝線の見え方が連星系の軌道傾斜角に依存することを明らかにした。これもひとつの成果である反面、本研究で得ようとしている円盤構造の推定結果が、軌道傾斜角によって変わってしまう可能性を示唆している。よって、1天体だけではなく、様々な軌道傾斜角を持つ天体で同様のデータを撮り、解析しなくてはならないことがわかった。軌道傾斜角は早期スーパーハンプの振幅からおおまかに判定が可能であるため、様々な振幅の天体の観測が必要となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
上述の通り、1天体だけではなく異なる連星パラメータを持つ複数の天体、最低でも3天体で同様の観測が必要であることがわかった。本研究のfeasibility評価は「3年あれば1天体は観測出来る」ということを基にしていたため、完全な目標達成はやや困難な状況である。一方で、モニター期間を伸ばせばいつかはデータの取得は可能であるため、まずは適切なプログラムを作成し、既にあるデータの論文化ができれば本研究の最低限の目標は達成できる。そのため、1天体でもデータが得られたという点で、進捗は順調~やや遅れているの中間程度だと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
継続して、国際観測ネットワークの協力を得ながら重要天体の出現をモニターしていき、より高精度なデータや多様な連星パラメータでの観測結果の取得を目指す。更にデータ解析のため、現代統計を天体物理に応用し、より多くの情報を引き出すことの出来るプログラムの作成を目指す。また、本研究課題の目標の一つが「再増光」と呼ばれる降着円盤の増光現象であるが、そのメカニズム解明に一歩近づく成果が得られている。2篇の論文を執筆するとともに、国内外の研究会で発表、議論することで内容を深めていく予定である。
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