研究課題/領域番号 |
20K14534
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分17010:宇宙惑星科学関連
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研究機関 | 文部科学省科学技術・学術政策研究所 (2021-2022) 北海道大学 (2020) |
研究代表者 |
北島 謙生 文部科学省科学技術・学術政策研究所, 第2研究グループ, 研究員 (70845445)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 氷 / 光脱離 / 水分子 / 星間分子雲 / 星間塵表面 |
研究開始時の研究の概要 |
星間分子雲の中でも特にガス密度が高い領域では,H2O氷の表面がCO固体で覆われた二層構造の氷が星間塵表面に存在している.申請者らのグループでは気相のH2Oの起源を明らかにすることを目的にH2O氷の光脱離機構を実証した一方,CO-H2Oの二層氷の場合において下層のH2Oが光脱離しうるかは未解決であった.本研究では星間塵を模擬したCO-H2Oの二層氷を用いてH2O脱離の有無と脱離効率を検証し,分子雲でのH2Oガスの起源を説明しうるか明らかにする.
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研究成果の概要 |
星間分子雲に存在するH2Oガスの起源を解明するうえで,分子雲内の氷微粒子(氷星間塵)表面におけるH2O脱離過程の理解は重要である.本研究では,極低温H2O氷の上層がCOの固体で覆われた系で下層のH2O分子が光脱離を誘起しうるかを調べた.COとH2Oからなる二層構造の氷(CO-H2O氷)を実験的に作成し,光刺激脱離法と共鳴多光子イオン化法(PSD-REMPI法)で脱離したH2Oを検出した.被覆するCO固体の厚さを変えながらH2Oのシグナルをモニターしたところ,H2Oのシグナルは徐々に減少するが,数10分子層のCOを被せてもなおH2Oが検出されることが分かった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
星間塵を覆う極低温のCO固体はポーラスな構造を持ちうるため,その下層にH2Oが存在する場合,空隙を通じてこれら分子が脱離する可能性がある.本研究では,上層が数10分子層のCOで覆われたCO-H2Oの二層氷においてH2Oが光脱離しうる結果が示され,分子雲中におけるH2Oガス起源の解明に資する知見が得られた.
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