研究課題/領域番号 |
20K14536
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分17010:宇宙惑星科学関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
杉浦 圭祐 東京工業大学, 地球生命研究所, JSPS特別研究員 (70846344)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 小惑星リュウグウ / そろばん珠型 / 高速自転変形 / 数値シミュレーション / そろばん球形状 / コマ型小惑星形成 / 高い付着力 / 高い実効的摩擦角 / 速い自転加速機構 / コマ型小惑星 / 粉体の数値計算 / 小惑星内部構造・物性 |
研究開始時の研究の概要 |
JAXAの探査機はやぶさ2が訪れた小惑星リュウグウは瓦礫の集合であるラブルパイル天体であり, そろばんの珠のような形状をしている. そろばん珠形状をしている小惑星は高速自転による変形で形成されたと考えられているが, 具体的な形成プロセスや条件は明らかになっていない. そこで連続体力学に基づいたラブルパイル天体の動力学を扱う計算コードを用いて, 小惑星の高速自転による変形を再現する. その上でそろばん珠形状を形成するような摩擦角などの物性や形成プロセスを明らかにする. また高速自転による変形で形成される形状を包括的に明らかにし, 小惑星内部の物性をそれらの形状から制限できるようにする.
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研究成果の概要 |
JAXAの探査機はやぶさ2が訪れた小惑星リュウグウはそろばんの珠のような形状をしている。多くのそろばん珠形状をした小惑星は高速自転をしていることから、高速自転による変形でそろばん珠形状になったと考えられている。我々はそろばん珠形状形成の条件を調べるため、高速自転変形過程の数値シミュレーションを実施した。その結果、そろばん珠に変形するためには70度程度以上の高い実効的摩擦角と数日程度以下の速い自転加速度が必要であることが分かった。また変形の際に放出された破片はその後衛星として集積するため、そろばん珠形状をした小惑星は衛星を持つ可能性が高いことが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では小惑星リュウグウのようなそろばん珠形状の形成には70度程度以上の高い実効的摩擦角が必要なことを明らかにした。1 kmサイズの小惑星がこのような高い実効的摩擦角を獲得するためには、数100Pa程度の付着力が必要である。そろばん珠形状をした小惑星は多く見つかっていることから、数100Pa程度の付着力は小惑星の内部物性として普遍的に存在していることが示唆される。特に1 km程度以下の小天体の衝突進化にはこの付着力が大きな影響を及ぼすため、本研究は惑星形成論の文脈において付着力の重要性を示したと言える。
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